江戸時代、京都の豪商・角倉了以(すみのくらりょうい)が築いた運河が「高瀬川」。鴨川に寄り添うように京都の町を北から南へと流れ、澄んだ水が町を潤します。さらに、昨年には親水テラスが新しく設けられ、水辺の楽しみがぐっと広がりました。新緑がきらめくこの季節に、岸辺ををそぞろ歩いてみませんか。
京都・新緑の「高瀬川」に新たなおさんぽスポット誕生♪ 任天堂から源氏物語まで町歩きの楽しさを満喫 「高瀬川」さんぽは、正面通から五条通までがおすすめ
水深30cmくらいの浅い流れに沿っておさんぽ開始。緑が涼やか
長い高瀬川のなかでも、車が少なくのんびりと岸辺を歩けるのが、正面通から五条通までの間。京都駅からは、市バス205系統で10分足らずの河原町正面で下車し、正面通を東へ進むと出会う小川が高瀬川です。そこからは北へ向かいます。
親水テラスは、2010年から15年間にわたって行われた高瀬川再生プロジェクトの一環
新しく設けられた親水テラスからは、水面すれすれに小径が上流へと伸びています。いつもとは違うアングルから町を眺めてみたり、水遊びをしたり、地元では大人も子供もこのさんぽ道がお気に入り。よい写真が撮れそうですね。
下流には、オブジェのようなベンチも。川に向いても、岸辺に向いても座れます。さんぽ途中に、ひと休みするのもよさそう。
エノキの巨木の背後には榎大明神を祀る小さな祠。ここまでくれば鴨川もすぐ
五条通近くには、巨大なエノキの木が茂ります。平安時代の貴族で、源氏物語の光源氏のモデルのひとりとされる源融(みなもとのとおる)の屋敷・河原院にあった森の名残ともいわれている大木です。この付近にあった屋敷は、光源氏の邸宅・六条院を思わせる広大なものだったそう。
「murmur coffee kyoto」で、せせらぎに耳を傾けて1杯のコーヒーを♪
モーニングメニューの「ピザトースト」1330円(ドリンクセット)
高瀬川に面し、穏やかな風景が窓の外に広がる「murmur coffee kyoto」は、季節のよい時期には扉が開け放たれるオープンカフェです。さんぽ前に朝ごはんをいただいたり、焼き菓子やスイーツでほっと一息ついたりできます。
また、こだわりが光る自家焙煎のコーヒーはテイクアウトもできるので、高瀬川さんぽのおともに連れていけますよ。
レトロな意匠にときめく任天堂の旧本社がホテルに「丸福樓」
建築の装飾もクラシカルなたたずまい
「murmur coffee kyoto」からすぐの高瀬川にかかる正面橋を渡り、細い通りをそのまま進むと、レトロな洋建築があります。ここが、あの任天堂創業の地で、今はホテル「丸福樓」として訪れる人をもてなしています。
1930年代に建設された旧本社社屋の面影を残す既存棟と、建築家・安藤忠雄の設計監修による新築棟からなり、異なるタイプの空間でステイできます。丸福樓に泊まり、朝の高瀬川さんぽができれば素敵ですね。
古き良き銭湯文化を伝える「サウナの梅湯」
スタッフ手書きの梅湯新聞が壁に貼られ、ついつい読み込んでしまうと評判
高瀬川親水テラスそばの銭湯。銭湯マニアだった若き番頭が廃業寸前の老舗銭湯を引き継ぎ、入浴するだけでなく、人が集い、カルチャーを発信するスポットへと再生。銭湯初心者へも優しく、銭湯デビューを梅湯でする人も多いそう。
もちろん、地下水を薪を使って沸かすというお湯へのこだわりも本物。ランニングステーションとしても利用できるので、荷物を預けて辺りを走ってみるものよさそうです。(混雑時は荷物の預かりができない場合あり)
「池半分室」で自分で淹れるお茶に心ほどけるひととき
「茶セット」2400円。最初の1杯はスタッフに淹れてもらうのがおすすめ
源融の河原院跡にたたずむエノキの巨木横の小径に入ると、目に飛び込んでくるのは鴨川の風景。その並びには、静かな時が流れるカフェがあります。
上質な日本茶や台湾茶、中国茶が楽しめるだけでなく、おいしいお茶の淹れ方を教えてもらえるのもポイント。美しい自然と店主こだわりの空間に身をゆだね、ていねいに淹れた一杯とともに、高瀬川さんぽを締めくくってみませんか。
高瀬川というと、三条通から四条通にかけての木屋町と呼ばれる賑やかな飲食街が知られていますが、もう少し下流の正面通から五条通にかけても魅力的なエリアです。新緑の輝く季節に、のんびりおさんぽしてみませんか。
