イギリス人のリアルな食生活とは?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
日本では、ごはんや麺類など、主食を中心に組み立てるのが当たり前の食事スタイル。しかし、イギリスでは“主食”という概念自体があいまいで、ある食べ物が日常的に食卓の中心を占めていることをご存じでしょうか。イギリス・ロンドンで暮らした経験を持つフードジャーナリスト・斎藤理子さんによると、そのシンプルさに最初は驚いたものの、しだいにその合理性と奥深さに気づいたといいます。イギリス人の食生活を支える“ジャガイモ文化”の実態に迫ります。
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イギリス人にとって“主食級”のジャガイモ
イギリス人の主食はジャガイモです。イギリスには主食とおかずという概念がないので、正確には主食ではありませんが、1日1回(もしくはそれ以上)は必ず食べますし、嫌いな人がほとんどいないジャガイモは、日本のお米くらい“主食級”の存在です。
前回、イギリス人のランチでサンドイッチのお話をしましたが、彼らがお昼に好んで食べるのはサンドイッチだけではありません。ジャガイモこそが、彼らの昼の救世主です。
ここで、フライドポテト? と思った方は残念。フライドポテトがランチという人がいないわけではありませんが、かなりの少数派です。
ちなみに、フライドポテトのことをイギリスでは「チップス」といいます。みなさまご存じ、フィッシュ&チップスの「チップス」ですね。
イギリスのチップスは、マクドナルドのフライドポテトのような細切りではなく、拍子切りにした大きめサイズ。幅も長さもジャンボサイズで、ジャガイモの味がしっかりと味わえるのが特徴です。
チップスはイギリス人の大好物で、料理の横にこれでもかというほど盛られますが、あくまでも付け合わせ。なので、ランチの主役ではありません。
ランチの定番、焼くだけのジャケットポテト
いろいろなトッピングが楽しめるジャケットポテト(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
では、どうやってジャガイモをランチに食べるのか。それが「ジャケットポテト」という料理です。料理と言っていいのか迷うほど簡単に作れますが、これがイギリス人は大好き。
この料理に使うのは、ベーキングポテトという名前の、握り拳2つ分くらいある大ぶりなジャガイモです。このベーキングポテト、日本ではほぼ見たことがありません。
よく洗ったそのベーキングポテトを皮付きのままオーブンに入れ、ホクホクに焼けたら取り出して、縦に深めの切れ目を入れます(十文字のことも)。そこに、バターをたっぷりのせたら完成。
要するに、焼き芋のジャガイモ版ですね。ジャガイモの皮を、ジャケットを着ていると見立てたことから、この名前がついたといわれています。