4月22日に撮影されたロシアのツィンブロワドローン基地。衛星画像 ©2026 Vantor.ロシアは攻撃用ドローンの新たな発射レールを建設した。この発射レールは、最新のジェット推進型自爆ドローン「ゲラン」に対応するよう設計されているとみられる。この動きは、ロシアがドローンに継続して投資していることを示している。
Business Insiderが入手した衛星画像によると、ロシアはウクライナへの攻撃に使用する最新のジェット推進型自爆ドローン「ゲラン」に対応するため、自国内のドローン基地で発射レールの延長工事を行った。
ロシアは、致死性の高いこの新世代兵器の改良・強化を続けながら、運用インフラへの投資も進めている。
アメリカの空間情報企業ヴァンター(Vantor)が2026年4月21日に収集した画像には、ウクライナ国境から約160kmに位置するロシアのオリョール州にあるツィンブロワ(Tsimbulova)ドローン基地に4本の発射レールが映っており、そのうち2本は延長されたものとみられる。
衛星画像が捉えたツィンブロワドローン基地の発射レール。衛星画像 ©2026 Vantor.
延長された発射レールの長さは85メートルだ。ヴァンターによると、これらの建設は2025年12月下旬に始まった。
短い方の2本のレールの建設は3月下旬から4月上旬にかけて始まったと、イギリスの情報レジリエンス・センター(CIR)のオープンソース調査員、カイル・グレン(Kyle Glen)がBusiness Insiderに語っている。
ロシアのオープンソース情報グループであるStrategic Aviationは4月下旬、ツィンブロワの衛星画像をテレグラムで初めて公開した。アナリストによると、2本の短い発射レールは旧型の「ゲラン3」と「ゲラン4」に対応し、2本の長いレールは新型の「ゲラン5」用に設計されているという。
防護壁とみられる構造物に囲まれた長さ85メートルの発射レール。衛星画像 ©2026 Vantor.
ロシア国防省および駐米ロシア大使館は、ツィンブロワ基地での動向に関するコメント要請に応じていない。
ロシアでは、ゲランのモデルが複数開発されている。最初のモデルであるゲラン2は、悪名高いイランの「シャヘド136」を国産化したもので、2022年からウクライナの都市や民間インフラへの攻撃に使用されている。
ゲラン2はプロペラ推進式であるのに対し、後継派生型のゲラン3、ゲラン4、ゲラン5はいずれもジェットエンジンを搭載している。これらのドローンは飛行速度まで加速させるためにレールから発射され、その後、エンジンが作動する。弾頭を搭載し、高速で目標に突入、着弾時に爆発する仕組みだ。
ロシアのドローン開発を注視しているグレンによると、初期のゲランが三角翼だったのに対し、最新のゲラン5は巡航ミサイルに近い外形をしているという。
発射レール付近には、ドローンの格納庫が設けられている。衛星画像 ©2026 Vantor.
グレンによると、ツィンブロワ基地はロシアがウクライナ攻撃に使用する複数の拠点の一つだが、新型ゲランの運用インフラを備えているのは、現時点で同基地と占領下のドネツク州にある拠点のわずか2カ所のみとみられる。
ロシアはここ数カ月でドネツク州の基地も拡張しており、かつての国際空港だったこの施設に発射基地と格納設備を増設した。この基地は前線から数キロの距離にあり、ウクライナから数回攻撃を受けている。
モスクワはウクライナに対する夜間ドローン攻撃を大幅に激化させている。2026年の最初の3カ月間にロシアが発射したドローンは約1万6000機に上り、前年同期の約1万機を大きく上回った。
ウクライナはこうした継続的な爆撃に対し、安価な迎撃ドローンの開発・生産を加速させることで対応しており、防衛投資においても優先事項として位置付けている。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は3月、キーウは1日あたり少なくとも2000機の迎撃ドローンを生産でき、その半数をパートナー国への供給に充てられると述べた。
ウクライナ製迎撃ドローンの成功は、NATO諸国や中東の米同盟国の注目を集めている。これらの国々は、イラン戦争においてテヘランが周辺地域に放った数千機のドローンによる大規模な攻撃にさらされたことを受け、低コストな防空手段を模索している。

【衛星画像】ロシア、ドローン基地に転用したドネツク空港をさらに拡張 | Business Insider Japan
