Google DeepMindやCroud部門が公開書簡提出
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米グーグルが米国防総省(DoD)に対し、機密ネットワーク上で同社の人工知能(AI)モデル「Gemini」を利用可能にする契約を結んだ。これに対し、グーグル傘下のDeepMindやクラウド部門などの従業員600人以上が、サンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)宛てに契約への反対を表明する公開書簡を提出した。

(Photo/Shutterstock.com/FotoField)
グーグルと米国防総省が締結した契約は、同社の対話型AI「Gemini」などの最先端モデルを機密環境下で「適法なあらゆる政府用途」に利用することを認める内容である。米国防総省は現在、各AI開発企業に対して利用制限を設けない形での技術提供を求めている。
この要求に対し、先行して米オープンAIや米xAIが同様の契約を結んで技術提供を開始した。一方で、競合の米アンスロピックは自社技術が国内の大規模監視や自律型兵器システムに転用されることを防ぐための明確な制限を要求した結果、国防総省からサプライチェーン上のリスクと見なされ契約から除外された。

【図版付き記事はこちら】Googleが米国防総省とGeminiの機密利用について合意、従業員反発(図版:ビジネス+IT)
グーグルはアンスロピックの姿勢とは異なり、防衛当局の要求に応じる形で利用制限を緩和した契約に合意した。
合意された契約内容には、同社のAIシステムを国内での大規模監視や、適切な人間の監督を伴わない自律型兵器の稼働を目的として利用しない旨の文言が含まれている。しかし、4月27日に公開書簡に署名した600人超の従業員らは、インターネットから物理的に隔離された機密ネットワーク上において、グーグル側がAIの具体的な用途を外部から把握し、運用を制御することは技術的および実務的に不可能であると指摘した。
DeepMindやクラウド部門のディレクター層も含む署名者たちは、自社技術が非人道的な目的や民間人のプロファイリング、致死性の自律型兵器の開発に悪用される危険性を強く訴え、経営陣に対して軍事利用に向けた技術提供を直ちに拒否するよう求めている。
グーグル内部では2018年にも、米国防総省のドローン映像解析プログラム「Project Maven」への技術提供を巡って数千人規模の社内抗議が発生した経緯がある。当時は従業員からの強い反発を受けて最終的に契約の更新を見送った。しかし、同社はその後2025年に独自のAI開発原則の文言を改定し、全体として有害な可能性のある技術や人権および国際法に反するシステムを追求しないとしていた従来の記述を削除した。
今回の機密AI契約の締結は、同社がかつての倫理的な方針から、防衛市場におけるシェア獲得と国家安全保障分野への協力を最優先する事業戦略へと方針転換を完了させた事実を示している。
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