長年、長崎の春の風物詩として市民に親しまれてきた「唐八景公園のハタ揚げ大会」が、今年の大会で幕を降ろします。

長崎では凧のことを「ハタ」と呼び、精霊流しや長崎くんちと共に、唐八景のハタ揚げ大会が “長崎市の三大行事” と呼ばれる時代もありました。

大会を湧かせてきたのが、相手の糸を切り合い勝ち負けを決める「ハタ合戦」。

特別な思いで大会に臨む人たちを取材しました。

【NIB news every. 2026年4月1日放送より】

桜の花がほころぶ長崎の春。

高台にある長崎市の「唐八景公園」の大空には…。

春風にのせて遥か彼方に幾重にも連なる「連凧」を揚げる人の姿が。

(記者)
「これは何連ですか?」

(連凧あげをする男性)
「110ある。ここでこうやって揚げる。この風。西の風が一番安定する。きょうは最高、楽しか」

その傍らで、空を見上げながら慌ただしく、ヨマ(=凧糸)を手繰る人たちの姿が。

その巧みな動きに操られ、上空では長崎ならではのハタ(=凧)が、相手より有利なポジションをとろうと目まぐるしく動き回っていました。

1対1で、互いのヨマを切り合い残った方が勝ちとなる「ハタ合戦」です。

(常岡忠勝さん(74))
「ハタが右に向いた時に引っ張ると右へ。左に向いた時に引っ張ると左へ動く」

(田川雅士さん(70))
「風が少ないし弱いから、引っ張るのが大変です」

“ハタ揚げ仲間”だという、常岡忠勝さんと田川雅士さん。

2人は、4月5日にこの唐八景で開かれる「長崎ハタ揚げ大会」でハタ合戦に出場するため、練習に励んでいました。

天気が良い日は、2時間ほどハタ揚げを楽しんでいて、田川さんは練習用のハタを自作するほどの愛好者です。

(田川雅士さん(70))
「波に千鳥という絵柄。一番人気がある絵柄なので、よく作ります」

唐八景でのハタ揚げ大会は、今年で最後となります。

出場者の減少が主な理由でした。

(常岡忠勝さん(74))
「寂しいですけど仕方が無い、(ハタを)揚げる人がいないんですから。残念ながら」