
3月19日、エルサレムで記者会見するイスラエルのネタニヤフ首相。代表撮影。REUTERS
[エルサレム 25日 ロイター] – イスラエルのネタニヤフ首相が国会の解散戦略の軌道修正に動いている。イラン攻撃当初、首相周辺からは総選挙前倒し案が浮上したが、世論調査でネタニヤフ氏の支持率がほとんど上向かないことなどから、勝ち目の見えない早期選挙を避ける方針に急転換した。
本来総選挙が予定されているのは今年10月。ただネタニヤフ氏の戦略に詳しい関係者の1人は、陣営内では開戦早々にイランの最高指導者だったハメネイ師を殺害した「成果」を利用して、連立与党が早期選挙に動けるチャンスが出てきたとの見方があったと明かした。
早期選挙に持ち込む上では、国会で3月末までに予算案が可決されない事態を放置し、基本法に定められた「自動解散」制度に則して、90日以内に総選挙を実施するやり方が考えられる。実際、複数のネタニヤフ氏側近は6月総選挙案を公然と打ち出した。
ところがイランへの攻撃開始から4週間が経過してもなお、イスラエルが目指していたイラン・イスラム政治体制の打倒は達成できず、ネタニヤフ氏はむしろ早期選挙回避を模索しつつある、と3人の政権幹部がロイターに語った。
ネタニヤフ氏側はそのための具体的な取り組みとして、国会での予算案可決に必要な過半数の賛成を得るために連携する政治勢力に予算を配分するとともに、31日までの成立を目指して国会財政委員会における審議を急ピッチで進めている。
戦時の選挙前倒しについてネタニヤフ氏は公式の場では2023年以降一貫して否定的な考えを示してきた。
今月12日にも、政権は任期を全うするのが望ましいと発言し、総選挙は9月ないし10月になると示唆している。
各種世論調査によると、イスラエル国民の間では、ネタニヤフ氏がイランの「実存的脅威」を除去する意図があるとする攻撃自体への支持は大きい。
しかし、ヘブライ大学で政治を研究するギデオン・ラハト氏は、ネタニヤフ氏が率いる連立政権に対する支持率は約40%と野党支持率と拮抗し、今のところ無党派層も与党になびいていないと指摘する。
現地紙タイムズ・オブ・イスラエルが19日に公表した世論調査では、ネタニヤフ氏が率いる右派政党「リクード」が次の選挙で獲得すると見込まれるのは28議席と、現在の34議席から減少する。最大政党の座は確保するものの、連立与党全体でも国会全議席120の過半数に届かず、獲得議席数は51になると予想されている。
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