2026年2月9日に、READY SOCIAL株式会社 代表取締役の佐藤夏美さんを取材しました。取材場所は東京・八重洲。READY SOCIAL株式会社は今シーズンから福島県女子サッカーリーグ1部に昇格したFUKUSHIMA WWW.(福島ウィーアー)を運営しています。
FUKUSHIMA WWW.(福島ウィーアー)は2025年に福島県リーグ2部からスタート。最短3年でなでしこリーグ入りすることを目指しています。立ち上げ2年目の今年、なでしこリーグ2部への加盟申請をしようとしています。なぜ、このような時間軸で活動を急ぐのでしょうか。
佐藤さんに福島県双葉郡の現状とFUKUSHIMA WWW.(福島ウィーアー)のここまで、そして目指す未来を聞きました。

FUKUSHIMA WWW.(福島ウィーアー)
2030年度で復興庁がなくなる前にやらなければならないことがある
なぜ、FUKUSHIMA WWW.(福島ウィーアー)の活動は急ぎ足なのでしょうか。質問すると、佐藤さんが被災地の現状を話し始めました。
「スポーツは地域インフラだ」東日本大震災の被災地・福島県双葉郡の女子サッカークラブだからできる唯一無二の挑戦 FUKUSHIMA WWW.(福島ウィーアー)前篇(無料記事)
被災地は忘れられる宿命にある
「東日本大震災から15年の節目となり、福島県や復興庁はホープツーリズム(複合災害の教訓等から「持続可能な社会・地域づくりを探究・創造する」福島オンリーワンの新しいスタディツアープログラム)でたくさんの誘客をしようとしています。でも、この5年くらいで東日本大震災にも復興にも興味を持つ人は急速に減少しています。地元では、それを体感しています。東京でコメントをもらうと『もう復興は終わっているのかと思っていた』という声が相次ぎます。でも、私たちの住んでいる大熊町の中心部・下野上地区を含む特定復興再生拠点区域の避難指示が解除されたのは2022年です。たった4年前です。
私は仙台市から移住してきました。仙台駅前にいると東日本大震災に遭った過去を感じません。忘れかけるほど整備されています。でも、大熊町には立ち入り禁止のバリケードが残っている。ようやく人口の約10%が戻ってきているのが現状です。」
人々の目は、毎年3月になると仙台市や三陸の生活、そして原子力発電所に集まります。しかし、福島県双葉郡の日常に関心が向く機会はすっかり少なくなりました。

町を分断するバリケードが残る福島県双葉郡大熊町
マイナスをゼロまで戻すのが復興
佐藤さんはFUKUSHIMA WWW.(福島ウィーアー)をハブ(結節点)として「復興にも福島県にも関心のなかった人」に情報リーチしたいと考えています。一方、被災地では、働ける世代の人材難に苦しむ福島県に人を集める存在となることで復興に貢献することができると考えます。さらには、スポーツや余暇を充実させることが復興を進める手段だと考えます。それが地域と女子サッカーチームの共生につながります。
「マイナスをゼロまで戻すのが復興だと思っています。でも、復興庁をはじめ行政の考える復興計画の中には、どうしてもスポーツや余暇のような幸せを感じるサービス業が入ってきません。 ハード面が整備されても、それではマイナスからゼロに戻らない。人々がここに戻って当たり前のように幸せに暮らすレベルには至らないのです。」

READY SOCIAL株式会社 代表取締役 佐藤夏美さん
待ったなしだった2025年のチーム立ち上げ
FUKUSHIMA WWW.(福島ウィーアー)を立ち上げるにあたり「準備のために、あと1年待ってほしい」という仲間の声がありました。しかし、佐藤さんは立ち上げを延期できませんでした。
復興庁のなくなる2030年3月31日がタイムリミット
「2030年度で復興庁がなくなる。ここで1年遅れたら残された時間は少ししかなくなる。だから『待つのは無理』だと言いました。」
FUKUSHIMA WWW.(福島ウィーアー)が「最短3年でなでしこリーグ入りを目指す」と宣言したのも復興庁がなくなる2030年3月31日をタイムリミットだと捉えているからです。だから、復興庁がなくなる前になでしこリーグに参入し、ここに住む人のチカラで地域に人を取り戻す活動を全国へと広げたいのです。
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