泡盛の革新者が語る挑戦と未来 ~伝統を重んじながら新境地を開く瑞穂酒造の取り組み~【OKINAWA BUSINESS FRONT LINE】

沖縄で日々生まれる新しいビジネスと、挑戦を続ける企業の“いま”に迫る経済トーク番組『OKINAWA BUSINESS FRONTLINE』。
沖縄を舞台に、県内の有名企業や注目企業のキーマンが出演。
今回は、瑞穂酒造株式会社 取締役製造部長 兼 商品開発室長の仲里彬氏に、伝統を守りながらも泡盛の世界に革新をもたらす挑戦、そして未来へのビジョンについて語っていただいた。

泡盛の革新者が語る挑戦と未来 ~伝統を重んじながら新境地を開く瑞穂酒造の取り組み~【OKINAWA BUSINESS FRONT LINE】

進行はタレントEMIKAさん(画像左)と沖縄テレビ稲嶺羊輔アナウンサー(画像右)。

フロンティアスピリットで切り拓く酒造りの新時代

泡盛の革新者が語る挑戦と未来 ~伝統を重んじながら新境地を開く瑞穂酒造の取り組み~【OKINAWA BUSINESS FRONT LINE】

「あなたの才能と世の中が困っていることが交わるところに、あなたの目指すべき道がある」
古代ギリシャの哲学者アリストテレスのこの言葉を、現代の酒造りに体現している男性がいる。瑞穂酒造株式会社 取締役 製造部長兼商品開発室長で、株式会社OneSpirit代表取締役も務める仲里彬さんだ。

1848年創業、首里最古の蔵元として175年以上の歴史を誇る瑞穂酒造。しかし、泡盛業界は20年連続で出荷量が減少し、ピーク時の半分以下まで落ち込んでいるという厳しい現実に直面している。そんな状況下で、仲里さんは伝統を守りながらも革新的な挑戦を続けている。

沖縄の黒糖が抱える課題を酒造りで解決

泡盛の革新者が語る挑戦と未来 ~伝統を重んじながら新境地を開く瑞穂酒造の取り組み~【OKINAWA BUSINESS FRONT LINE】

コロナ禍で浮き彫りになった沖縄離島の黒糖産業の課題。余剰在庫に頭を悩ませる生産者たちの声を聞いた仲里さんは、「ONERUM(ワンラム)」プロジェクトを立ち上げた。

「離島八島すべてを回らせていただきました。サトウキビを育てているおじさんおばあさんから『あんたのラム、ヒットさせたら私たくさんサトウキビ植えるから頑張りなさい』という声をいただいて」

実際に島々を訪れ、製糖工場の工場長からも厳しい現状を聞いた仲里さん。黒糖を原料とするラム造りを通じて、この課題解決に取り組んでいる。

音楽とお酒が交差するコラボレーション

泡盛の革新者が語る挑戦と未来 ~伝統を重んじながら新境地を開く瑞穂酒造の取り組み~【OKINAWA BUSINESS FRONT LINE】

特に注目すべきは、モンゴル800の上江洌清作(キヨサク)さんとのコラボレーション商品「eighthundred」だ。音楽フェス『What a Wonderful World』での出会いをきっかけに生まれたこのジンは、清作さんの楽曲を羅針盤として開発された。

「キヨサクさんの歌詞をキーワードとして全部落として、その意味、情景というものを自身なりに解釈しながら、そこから翻訳してこの風味を使おうというアプローチをとって」

味だけでなく、ラベルデザインもキヨサクさんが手がけるアパレルブランド「アロハブロッサム」の世界観とクロスするよう設計されている

瑞穂酒造とOneSpirit、二つの会社をの肩書を持つ仲里さん。瑞穂酒造では「内側の仕事」として製造や研究開発に集中し、OneSpiritualでは「外側のすべてが仕事場」として幅広いコラボレーションを展開している。
「カラオケの場所も仕事場になる。キヨサクさんとの楽曲からお酒を作る場合は、何度もその曲を歌いながら、どういう思いでこの曲を演奏したのかというところを考えていく」

世界一のバーテンダーとタッグを組んだ国際展開

海外展開においては、世界一のバーテンダー後閑信吾さん、アジアチャンピオンの杉浦聡さんらSGグループとパートナーシップを組む。香港、ニューヨークで「黒糖リキュール」をローンチし、「黒糖」という言葉をそのまま世界に発信している。
「黒糖って実は正式な英訳がないんです。ブラウンシュガーは色が付いた砂糖全体を指しますが、寿司や天ぷらのように、黒糖という言葉で世界に手掛けていこう」と意気込み、新たな世界を切り開いている。

泡盛の未来への展望

泡盛の革新者が語る挑戦と未来 ~伝統を重んじながら新境地を開く瑞穂酒造の取り組み~【OKINAWA BUSINESS FRONT LINE】

技術の継承や人の手による作業について、仲里さんは独特の視点を持つ。
「AIが発展する中で、AIにはできないことを考えるようになりました。時間はAIで生成することができない。瑞穂酒造の175年の歴史をAIで作ることはできません。つながりや思い出もAIの得意分野ではない」

厳しい現状にある泡盛業界だが、仲里さんは可能性を信じている。那覇の老舗居酒屋「小桜」と手がける「Aボール」(泡盛の炭酸割り)文化の広がりや、新しい飲み方の提案により、泡盛に触れる間口を広げていく戦略だ。

「何百年もの間、先人たちからつながり紡がれてきた古酒の文化や、まだまだ解明されていない風味や製造技術がたくさん残されています。泡盛についてこんなに素晴らしいお酒が沖縄にあるんだねと、一度離れた人も戻ってきてもらい、知らない方は知っていただきたい」
アリストテレスの哲学を現代に活かし、伝統と革新を両立させる仲里さんの挑戦は続く。

泡盛の革新者が語る挑戦と未来 ~伝統を重んじながら新境地を開く瑞穂酒造の取り組み~【OKINAWA BUSINESS FRONT LINE】

インタビューの全容は「OKINAWA BUSINESS FRONTLINE」で放送します。沖縄テレビで毎週土曜日あさ11時20分から放送中。過去の放送も見られます。

毎週土曜午前11時20分放送(沖縄テレビ)「OKINAWA BUSINESS FRONTLINE(オキナワ ビジネス フロントライン)」

沖縄で日々生まれる新しいビジネスと、挑戦を続ける企業の“いま”に迫る経済トーク番組『OKINAWA BUSINESS FRONTLINE』。沖縄を舞台に、県内の有名企業や注目企業のキーマンがスタジオに出演。ここでしか聞けない経営の裏側や戦略など、トークと取材映像を交えて分かりやすく伝える。