英補選、労働党が牙城失う 緑の党勝利

 2月27日 英マンチェスターのゴートン&デントン選挙区で補欠選挙が行われ、緑の党のハナ・スペンサー候補(写真)が勝利した。写真は27日、英マンチェスターで撮影(2026年 ロイター/Temilade Adelaja)

[マンチェスター 27日 ロイター] – 英マンチェスターのゴートン&デントン選挙区で補欠選挙が行われ、緑の党のハナ・スペンサー候補が勝利した。スターマー首相率いる労働党は伝統的な地盤で敗北を喫した。性的虐待罪で起訴された後に死亡した富豪ジェフリー・エプスタイン氏と親交のあった人物を駐米大使に任命したことへの批判が渦巻く中、スターマー首相の辞任圧力が一段と強まりそうだ。

補選は健康上の理由で議員が辞職したことを受けて行われた。得票率は緑の党が40.7%、ナイジェル・ファラージ氏が率いる右派ポピュリスト政党「リフォームUK」が28.7%で2位、労働党は25.4%で3位に終わった。

補選では与党が敗北することが多いとは言え、緑の党と大差で敗れたことに衝撃が広がっている。

2024年の前回総選挙では、労働党は同選挙区で半数強の票を獲得していた。しかしこのところは、スターマー首相の不人気、経済成長の鈍化、一連のスキャンダルや政策の迷走などにより、労働党は大きく支持を落としている。

北大西洋条約機構(NATO)脱退や娯楽用薬物の合法化を掲げる緑の党が、補選で勝利するのは今回が初めてであり、イングランド北部での当選も初となる。これにより同党の下院議席数は650議席中5議席となった。

労働党のアンナ・ターリー幹事長は、この結果は「明らかに失望すべきもの」と述べた。

英世論調査の第一人者、ジョン・カーティス氏は、結果を「地震のような瞬間」と表現。第二次世界大戦終結以来「いかなる時期よりも、英国の政治の将来は不透明になった」と述べた。

ゴートン&デントン選挙区は、かつては労働党が圧倒的な強さを誇り、難攻不落の「赤い壁」と評されていた。しかし今回の選挙戦は、英有権者の支持基盤が不安定化し、政党への忠誠心が低下する一方で、政治の左右両翼に台頭する新興政党への支持が高まっていることを示す実例となった。

次期選挙で労働党政権を脅かすのは、議席はわずかだが支持率が近年上昇しているリフォームUKになるとされている。しかし、今回の補選の結果は、特に民族的に多様な都市部において、リフォームUKが苦戦する可能性を示している。同党のマット・グッドウィン候補は過去に、英国のイスラム教徒は「英国の価値観や生活様式に根本的に反対している」と発言したことがあり、イスラム教徒の住民が多いゴートン&デントン選挙区で一部の有権者の反感を買ったとみられている。

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