
写真は鉱石を運ぶ作業車。2020年1月、米カリフォルニア州マウンテン・パスで撮影。 REUTERS/Steve Marcus
[28日 ロイター] – 米国のトランプ政権は国内の重要鉱物プロジェクトで最低価格を保証する計画を後退させたことが、事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。最低価格を保証するための資金が連邦議会から承認されていないことや、市場価格を設定する複雑さを政権が認めた格好だ。
トランプ政権の高官2人は、首都ワシントンのシンクタンクが今月開いた非公開会合で米鉱業会社幹部に、各社のプロジェクトは政府による価格の下支えがなくても独立採算で実行できることを立証する必要があると伝えた。会合に出席した3人の関係者がロイターに語った。
この会合で米エネルギー省のオードリー・ロバートソン次官補兼重要鉱物・エネルギー・イノベーション局長は「われわれは、あなた方を支援するためにここにいるわけではない」と発言、各社は政府の支援を期待すべきではないと話した。
米商務省国際貿易局のジョシュア・クルーン副次官補(繊維・消費財・素材・重要鉱物・金属担当)も同様の見解を示した。
ロバートソン氏とクルーン氏はいずれも、政府はもはや最低価格を提示する立場ではないと伝えたという。
エネルギー省は記事掲載後、ロイターに対し、この記事は「虚偽であり、誤った情報や意図的に誤解を招くような匿名の情報源に依拠している」とする声明を発表した。どのような誤りを発見したかについては詳しく述べていない。ロイターはさらなるコメントを求めたが、同省はすぐに応じなかった。
トランプ政権の現在の姿勢は、昨年7月に開かれた非公開会合から大きく変化した。その会合では別の高官2人が鉱業会社幹部に、レアアース(希土類)採掘会社MPマテリアルズ(MP.N), opens new tabに数日前に提示された最低価格は「1回限りのものではない」とし、政権は他のプロジェクトでも価格を下支えすることに取り組んでいると伝えたという。それ以降、どの鉱業会社にも最低価格は提示されておらず、金融面の支援策に対する政府の確約に疑念が生じた。
MPマテリアルズのプロジェクトで政権は2種類のレアアースに対して1キログラム当たり110ドルの最低価格を保証した。だがこの措置については、政権の一部当局者や連邦議会議員の間で、必要な資金が議会で承認されていないとの懸念が広がっている。
米国の鉱業会社や鉱物処理会社は、中国と競争する上で最低価格の保証といった政府の支援措置が必要だと主張する。鉱業業界幹部は、中国政府から支援を受けた企業はライバル勢に打撃を与えるため、価格を引き下げることができると訴えている。
ホワイトハウスは新たに最低価格を保証することを計画しているかどうかには言及しなかったが、「納税者の資金を公正に管理しながら」重要な鉱物資源部門に対して規制緩和、減税、対象を絞り込んだ投資を追求し続けると表明した。
MPマテリアルズはロイターのコメント要請には応じなかったが、この記事の配信後、契約や関連する政府の義務に変更はなかったと表明。「米政府がMPマテリアルズとの契約から手を引いたといういかなる暗示も虚偽だ」とした。
ロイターは、MPマテリアルズと政府の契約が危機に瀕しているとは記事で示唆していない。
この記事の配信後、シドニー株式市場でレアアース株が下落し、大手ライナス・レアアースLYC.AX, opens new tab>の株価は一時10%以上下落した。同社の広報担当者は、ライナスがレアアース価格を引き上げた米国の政策措置の恩恵を受けていると述べた。
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