公開日時 2025年11月21日 16:12更新日時 2025年11月21日 16:47

若泉敬氏の遺書、沖縄県へ寄贈 核兵器持ち込み「密約」に関わる

 沖縄県公文書館に寄贈された国際政治学者若泉敬氏の遺書=21日午前、沖縄県南風原町

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共同通信

 沖縄返還を目指す佐藤栄作首相(当時)の密使を務めて米国と交渉し、核兵器持ち込みを巡る「密約」に関わった国際政治学者若泉敬氏=福井県越前市出身=の遺書が沖縄県公文書館に寄贈され、21日に式典が開かれた。前原正人館長は「日本復帰後の沖縄の課題を考える上で貴重な資料。広く県民に活用してもらいたい」と語った。寄贈は20日付で、12月9日から閲覧できるようにする。

 遺書は若泉氏と親交のあった福井県内の関係者が保管しており、越前市の仲介で寄贈に至った。式典では、越前市の担当者が寄贈資料の目録を前原館長に手渡した。

 若泉氏は1972年の沖縄返還前に秘密交渉を担当。94年に出版した著書で、返還に当たり、有事の際に沖縄へ核兵器を再び持ち込む密約の存在を明らかにした。「歎願状」と記された遺書は同年、沖縄戦の組織的戦闘が終わったとされる「慰霊の日」の6月23日付。「歴史に対して負っている私の重い『結果責任』を執り(中略)自裁します」と記されている。若泉氏は96年に亡くなった。

 遺書のほか、94年に若泉氏と大田昌秀知事(当時)がやりとりした書簡の写しも送られた。