泉屋博古館(京都・本館)が2026年度の年間スケジュールを発表しました。2026年は「特別展 住友財団文化財維持・修復事業助成の成果 文化財よ、永遠に2026 -次代につなぐ技とひと(仮)」「寛永行幸400年記念特別展 寛永行幸 -花の都の文化人-(仮)」「特別展 没後100年記念 住友春翠-仕合わせの住友近代美術コレクション(仮)」など3つの企画展が予定されています。

また、ブロンズギャラリーでは、年間を通して世界最高峰とも称される中国青銅器コレクションを観覧可能。そこで、ここまで判明した各展覧会の概要、及びブロンズギャラリー「中国青銅器の時代」についてそれぞれまとめました。

泉屋博古館

住所:〒 606-8431 京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24

休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、展示替え期間中、夏期・冬期、4月24日

開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)

入館料:一般1,000円(特別展1,200円)/学生600円(特別展800円)/18歳以下無料
※学生ならびに18歳以下は証明書をご提示ください
※障がい者手帳等を提示で、本人および同伴者1名まで無料
※6月30日~7月31日、10月20日~30日はブロンズギャラリーのみ
(一般600円/学生400円)

美術館公式サイト:https://sen-oku.or.jp/kyoto/

特別展 住友財団文化財維持・修復事業助成の成果 文化財よ、永遠に2026 -次代につなぐ技とひと(仮)

2026年4月4日~6月28日

先人たちの文化や思想を伝える考古遺物や歴史資料、美術工芸品、それらを今日私たちが目の当たりにできるのは、これまでに多くの人々の手によって守り継がれてきたからにほかなりません。それはすなわち、目の前の文化財が次の百年へと息をつなぐことができるかどうかは今の私たちに懸かっていると言い換えることができるのでしょう。

住友財団は、1991年創立以来、人類共通の宝である文化財を後世に伝えることを現代人の責務と考え、文化財維持修復事業の助成に務めてきました。民間という立場から、我が国だけでなく海外の文化財にまで助成対象を広げて、35年間活動を重ねてきました。

本展は、住友財団の助成事業によって修理がなされ、よみがえった文化財を展示することで、文化財の保存修理を取り巻く環境と技術、そして人に光をあてようとするものです。社会の高齢化と地方の過疎、それに伴う文化財に携わる担い手の不足、逼迫する財政そして災害の激甚化と、文化財はいよいよ厳しい境遇に置かれています。

何人もの人間が一つの作品のために連携して、厳選した材料を惜しみなく投入し、伝統と最新を兼ね備えた技術で最善を模索し続ける文化財修理というものが、はたして大量消費を前提としてコストパフォーマンスを重視する現代社会でどのように生き残っていけるのか。山積する課題を前に困惑して停止してしまわないためにも、本展を通して文化財修理の意義と技術、さらにそこに注ぎ込まれた人々の努力を体感してみてはいかがでしょうか。

伝 藤原信実《佐竹本三十六歌仙絵切 源信明》鎌倉時代(13世紀) 重要文化財 泉屋博古館
《阿弥陀如来坐像》平安時代 大治5年(1130)重要文化財 泉屋博古館
修理作業の様子 泉屋博古館蔵《阿弥陀如来坐像》 後補彩色層の剥落止め
寛永行幸400年記念特別展 寛永行幸 -花の都の文化人-(仮)

2026年9月5日~10月18日

江戸時代はじめの寛永3年(1626)9月、大御所徳川秀忠の招きに応じ、後水尾天皇が京都・二条城に行幸しました。その初日天皇一家と公家、将軍と全国の大名らがそろう天下の大行列に、京の街は空前の活況を呈しました。それを活写した泉屋博古館所蔵《二条城行幸図屏風》(京都市指定文化財)を糸口に、泰平の世の到来を告げ、新たな文化の胎動につながった寛永行幸の歴史的意義を問うとともに、17世紀後半にわたり展開した優美な寛永文化に注目、後水尾天皇、東福門院、小堀遠州、千宗旦など、身分を越えきら星の如く輩出した文化人たちの美意識と交流が紹介されます。

《二条城行幸図屏風》江戸時代(17世紀) 京都市指定文化財 泉屋博古館
伝 東福門院《押絵「楊貴妃」》 江戸時代(17世紀) 泉屋博古館
特別展 没後100年記念 住友春翠-仕合わせの住友近代美術コレクション(仮)

2026年10月31日~12月20日

泉屋博古館のコレクションの礎を築いた住友家第15代当主・住友吉左衞門友純(号:春翠、1864-1926)の没後100年を記念し、ゆかりの作品が披露されます。収蔵する日本画・洋画・工芸から、彼と同時代を生きた作家との交流をたどります。また春翠が関心を寄せた作品を通じてその審美眼を見つめ直し、さらに収集の背景や時代性といったコレクション形成史を再検討する機会とします。

尾竹竹坡《九冠鳥》明治45年(1912) 泉屋博古館東京
香田勝太《春秋草花図》大正6~7年(1917~18) 泉屋博古館東京
ブロンズギャラリー 中国青銅器の時代

2026年4月4日~7月31日、9月5日~12月20日

見れば見るほどにおもしろく、魅力が増していく──世界最高峰とも称される住友コレクションの中国青銅器は、ブロンズギャラリーにていつも見ることができます。古代の超絶技巧が発揮された青銅器の魅力をさまざまな角度からご紹介するブロンズギャラリーは、4つの展示室によって構成されています。今年は青銅器に鋳込まれた古代文字、金文をフィーチャーし、謎に包まれた中国古代の文字の世界にせまります。

《虎卣》 殷後期 (紀元前11世紀) 泉屋博古館
《戈卣》 殷後期(紀元前12-11世紀) 泉屋博古館
《彔簋》 西周中期(紀元前10世紀) 泉屋博古館
《彔簋》(銘文) 西周中期(紀元前10世紀) 泉屋博古館

リニューアルオープンして2年目となる泉屋博古館(京都・本館)では、「寛永行幸」をテーマとした地元・京都ゆかりの歴史を掘り下げた展覧会、近年では同館の定番となりつつある文化財修復展、さらに住友春翠没後100年を記念した近代美術展など、どれも同館ならではの特色ある展覧会ラインナップとなりました。また、世界屈指の青銅器コレクションも引き続き健在。リニューアル後、さらに見やすく充実した4つの展示室で、古代の超絶技巧を思う存分堪能できそうです。(美術展ナビ)
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