ウクライナでは、ドローン攻撃に備え、多くの装甲車両に防護装備を施している。Global Images Ukraine via Getty Imagesロシア兵は、電波妨害(ジャミング)の影響を受けない光ファイバー式ドローンを使い、ウクライナ軍の車両を奇襲攻撃するようになっている。ウクライナ軍将校によると、主要な補給路が攻撃のターゲットとなっているという。この攻撃スタイルは、中東でアメリカ軍が直面した路肩設置型即席爆発装置(IED)に似ている。
ロシアのドローンは、ウクライナ各地の道路沿いで待ち伏せし、通過する軍用車両を奇襲攻撃するようになった。その結果、これまで比較的安全だった経路が「殺傷地帯」と化している。
ウクライナ軍の将校がBusiness Insiderに語ったところによると、ロシア側のドローン操縦者は、電子戦による妨害を受け付けない光ファイバー式ドローンを使い、前線近くの主要な補給路を狙っているという。こうした殺傷能力の高い兵器を阻止することは極めて難しく、部隊や物資の移動が妨げられている。

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この攻撃スタイルは、アメリカ軍や同盟軍が中東で直面した路肩設置型即席爆発装置(IED)に似ている。ただし、ロシアのドローンは空を飛び、標的を追跡して攻撃できる点が異なる。これは、無人システムの進化によって戦場における脅威がいかに高まっているかを示している。
ウクライナ第3軍団の将校であるアルテム(安全上の理由からファーストネームのみの表記を求めた)によると、ロシアは光ファイバー式ドローンを補給路に飛ばし、道路脇に着陸させて装甲車に奇襲攻撃を仕掛けることが増えているという。このような攻撃は週に一度は発生しており、兵士や車両の損失を引き起こしている。
光ファイバー式ドローンは安価なFPV(一人称視点)ドローンで、数百ドル程度で入手でき、数ポンド程度の小型爆薬を搭載できる。
ロシアは光ファイバードローンを使ってウクライナの車両を攻撃している。Maxym Marusenko via Reuters Connect
無線で操縦する通常のFPVドローンとは異なり、光ファイバー式ドローンは操縦者と細く長いケーブルで接続されており、通信が途切れにくく、電子戦や電波妨害(ジャミング)への耐性を備えている。だからこそ、戦場ではとりわけ危険な存在だ。
光ファイバー式ドローンはケーブルの長さや地形の影響により、従来の無線操縦型FPVドローンより航続距離は限られる傾向にあるが、それでも前線を越えてウクライナ側の領域に侵入し、奇襲攻撃を仕掛けることができている。
ウクライナ第3強襲旅団の元副司令官で、現在は独立系研究機関スネーク・アイランド研究所の軍事連携部門を率いるアルテムは、かつては比較的安全とみなされていた経路が、奇襲攻撃の増加により深刻な問題を抱えるようになったと述べている。
危険な道路状況が部隊の移動に影響を及ぼしており、通常であればローテーションで拠点を移動するはずの部隊が、より長く同じ場所に留まらざるを得ない事態も生じている。
ウクライナでは、ドローンが戦車、歩兵戦闘車、装甲兵員輸送車などの装甲車両に対する主要な脅威となっている。その被害を軽減するために、多くの車両に防護装甲や電子戦技術が追加で施されるようになった。
しかし、電子戦技術では光ファイバー式ドローンによる攻撃を防ぐことはできない。物理的な障壁が、ほぼ唯一の有効な防御手段となる。そのため、ウクライナ軍は前線付近の主要道路にネットを張り巡らせ、屋外トンネルのような状態にしてドローンの侵入を防ぎ、車両の生存率を高めている。しかし、この防護策によってリスクは軽減されるものの、完全に排除されるわけではない。ロシア側の操縦者は、ネットのすき間からドローンをウクライナ側に侵入させ、道路脇に着陸させることができる。そこでドローンは攻撃のタイミングを待つのだと、ウクライナ大統領直属旅団のドローン部隊で分隊長を務めるアレックス・アイネ(Alex Eine)が、以前Business Insiderに語っていた。
彼は、ドローンによる奇襲攻撃でウクライナの車両が破壊されるのも目撃したという。
ドローンが戦場で果たす役割は、今後さらに大きくなると考えられる一方で、戦闘車両はドローンに対してますます脆弱になっており、その有効性や意義が問われている。
公開情報に基づく推計によると、ウクライナでは戦車、歩兵戦闘車、装甲兵員輸送車が両陣営合わせて数千両失われている。
しかし、装甲車両はドローンによって多くの損失が生じているとしても、依然として非常に重要だとアルテムは考えており、攻勢作戦を実施するには装甲車両なしではほぼ不可能だと説明した。

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