こうちアイではシリーズで「県展特選ギャラリー」と題して第79回県展の入賞作品や見どころをお伝えしています。
最終回は洋画部門です。
高知県内最大の芸術の祭典「県展」は79回目を迎えました。2025年は8つの部門に1378人から2605点の応募があり、このうち1026点が入選以上となっています。県立美術館では洋画・日本画・先端美術の3部門、かるぽーとでは彫刻、工芸、書道、写真、グラフィックデザインの5部門の入賞作品を展示しています。
このうち洋画部門には200人が250点を出品しました。
会場の県立美術館には特選など150作品と無鑑査などの13作品が展示されています。
ことしの特選は3作品で、県展無鑑査の今崎順生さんに解説してもらいました。
特選1つ目は、坂本彩芽さんの作品。2人の人物が森の中を思わせる幻想的な空間で見つめ合う様子が描かれた透明感のある作品です。今崎さんは坂本さんの優れた人物描写力を高く評価しました。
■今崎順生さん
「最近あまり、こういったデッサン力のある作品というものが生み出されていなかったように感じるのですが、とても清々しい、若々しい感性に加えて、優れた描画力を持った作品だと感じている」
「少し奥の方がぼかされていたり、目と目があっているが、同じ方なのかどうかが分かりづらい そこも魅力誰なのかとか、そういった見方もおもしろいんじゃないか」
続いての特選は、中居昭二郎さんの作品。これは中居さんが県外で見た風景と高知の風景を混ぜて描き上げたもので実際にはない景色。シンプルなモチーフや構図ながら高い技術力が感じられる作品です。中居さんは今回で3度目の特選受賞で、無鑑査となりました。
■今崎順生さん
「赤と緑という配色にも加えて、手前にある電柱が余計作品のドラマティックさを演出しているなと思った」「同じ構図で同じ題材でさあ書きましょうと言われても、ここまでの絵が描けないと思う熟練された技巧であったり、お持ちになっている感性はなかなか突出していて、私たちでは到底かなわないなと」
特選3作品目は門田学さんの作品です。複数の画材や素材を組み合わせて表現の幅を広げる「ミクストメディア」という手法をとっていてカラフルで想像力をふくらませてくれる作品です。
■今崎順生さん
「遠目から見たときには、サイズはさほど大きな作品ではないが、スケール感を感じた」「スクラッチした跡だったり、少し固いメディアで描かれた部分であったり、見ごたえがある」
「星ふってきた」というタイトルと実際に描かれているモチーフの間には違いがあるようにも見えますが、それも絵画のおもしろさだと今崎さんは言います。
■今崎順生さん
「通り過ぎた風景とか見た印象を描かれた絵なのかなと思っていたが、タイトルを見ると「星ふってきた」になっているので、もしかすると描きたかったこととか主題は別にあったのかなというそんな印象を持った」「絵画の醍醐味で、描かれているモチーフと主題がギャップがある場合も見ていておもしろい」
高い技術と個性豊かな表現を楽しめる洋画部門。会場でじっくりと鑑賞してみてはいかがでしょうか。
第79回県展は10月19日まで開かれていて県立美術館で洋画・日本画・先端美術の作品をかるぽーとでグラフィックデザイン・工芸・写真・彫刻・書道の作品を展示しています。
