発射されたトマホーク。発射されたトマホーク。Mark Wilson/Getty Imagesウクライナへのトマホーク供与についと問われたドナルド・トランプ大統領は、「おおよそ、どうするかは決めている」と答えた。この長距離ミサイルが供与されれば、ウクライナの軍事能力は大幅に強化されることになる。ただし、ウクライナがどのようにしてトマホークを発射するのかは明らかになっていない。

アメリカは、ウクライナに巡航ミサイル「トマホーク」を供与する可能性を示唆している。これが実現すれば、ウクライナ軍は長距離攻撃能力を持つ強力なアメリカ製兵器を手にすることになる。

ドナルド・トランプ大統領は10月6日、記者から「アメリカがトマホークをウクライナに供与するのか、それともNATOに売却してNATO経由でウクライナに引き渡すのか」と問われた際に、「おおよそどうするかは決めている」と答えた。

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さらにトランプ大統領は執務室で、「ウクライナがそれをどう使うのか、どこに向けて撃つのかを確認したい。その点をまず尋ねる必要があるだろう」と語った。

10月7日にBusiness Insiderがトランプ大統領の最終決定についてホワイトハウスに問い合わせたところ、「大統領の発言を参照してほしい」とのことだった。

トマホークは、ウクライナが西側パートナーに供与を求めている最新の高性能兵器だ。ウクライナ軍は現在、ロシア国内のエネルギーインフラへの攻撃を強化しており、トマホークの供与が実現すれば、長距離打撃能力を大幅に向上させることができる。

しかし、このようなアメリカ製ミサイルは通常、軍艦、潜水艦、あるいはウクライナが保有していない特殊な地上発射システムから発射されるため、実戦でどのように運用できるのかは依然として明らかではない。

巡航ミサイル「トマホーク」とは?アメリカの国立航空宇宙博物館に展示されているトマホーク。アメリカの国立航空宇宙博物館に展示されているトマホーク。射程が長く、精密誘導装置を備えている。REUTERS

地対地巡航ミサイル「BGM-109 トマホーク」は、RTXコーポレーション(RTX Corporation)が製造する精密誘導型のジェット推進亜音速ミサイルで、1980年代初頭から運用されている。1発あたりの推定価格は約130万ドル(約2億円)だ。

トマホークの射程は型式によって異なるが、最大約2500キロ先の目標を攻撃できるものもあり、ウクライナがすでに供与を受けている西側製ミサイルの射程をはるかに超える。ウクライナ側も、トマホークに匹敵する、あるいは一部で上回る射程を有する長距離ドローンやミサイルを開発していると伝えられている。

ウクライナ側で兵器を独自開発しているとしても、トマホークは戦闘能力、信頼性、そして政治的示威効果の面で依然として明確な利点をもたらす。

ワシントン拠点のシンクタンク、戦争研究所(the Institute for the Study of War)の紛争アナリストによると、射程2500キロのトマホークの場合、攻撃可能なロシア軍の標的は少なくとも1900カ所、1600キロのトマホークでも1600カ所を超えるという。これらの標的には空軍基地や兵器生産拠点の他、長年にわたりウクライナが自国製ミサイルやドローンで攻撃してきた重要な軍事拠点が含まれる。

トマホークの射程距離に含まれる、ロシアの軍事施設。トマホークの射程距離に含まれる、ロシアの軍事施設。Institute for the Study of War

戦争研究所のアナリストは、10月5日に公開した戦場レポートにこう記している。

「ウクライナは、ロシアの前線作戦を維持・支援している後方支援地域の脆弱な部分を標的にすることで、ロシアの前線での戦闘遂行能力を大幅に低下させることができるだろう」

トマホークはどのような天候でも発射可能で、旅客機とほぼ同じ時速約885キロメートルで飛行する。精密誘導装置を備え、約454キログラムの通常弾頭を搭載できる。低空かつ高速で飛行するため、探知や迎撃がされにくい。

トマホークは、湾岸戦争の頃から戦闘実績を上げてきた兵器システムだ。その後も主に中東でのさまざまな紛争や軍事作戦で使用されてきた。直近では、アメリカがイランの核施設に発射したほか、イエメンではフーシ派反乱軍への攻撃にも用いられている。

トマホークを主に運用しているのはアメリカ海軍だが、イギリス、オーストラリア、オランダも運用している。日本も400発を購入しており、駆逐艦「ちょうかい」から発射を可能にする改修や乗員の訓練を受けるために、同艦をアメリカに派遣している。

ウクライナがトマホークを供与された場合、どのように発射するのか、まだ明らかになっていない。通常は、軍艦の垂直発射システム(VLS:vertical launch system)、潜水艦の魚雷発射管、あるいはアメリカ陸軍の新型タイフォンのような陸上の発射装置などから発射される。ウクライナ軍はこのような発射装置を保有していないため、トマホーク配備の際には、アメリカが追加の装備を送って発射を支援するか、既存の発射装置を改修する必要があるだろう。

西側がウクライナに高性能兵器を供与した際と同様に、ロシアはアメリカに対し、トマホーク供与を思いとどまらせようとしている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は10月初旬、トマホーク供与はトランプ政権下で改善傾向にあった米ロ関係の「破壊」につながるだろうと述べた。

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