公開日時 2025年10月12日 05:00

カナダ船救助 先人の精神継ぐ 沖永良部 遭難135年慰霊祭、国際交流も
トゥループ号のモニュメントと110年祭開催当時の●知名町長のあいさつ(提供)=9月22日、鹿児島県知名町芦清良のウジジ浜公園

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琉球新報朝刊

 【沖永良部】鹿児島県知名町芦清良(あしきようら)のウジジ浜公園で9月22日、135年前に遭難したカナダ帆船の慰霊祭が行われた。知名町誌などによると、カナダ帆船「リジー・C・トゥループ号」は、1890(明治23)年の同日、長崎から米国ワシントンに向かう途中、台風に遭遇、ウジジ浜沖で操縦不能となり座礁した。船は大破し、乗組員22人のうち12人が犠牲となったが、島民の懸命な救助で生き延びた10人は17日後、沖縄経由で無事帰国した。
 遭難から1世紀がたった1990年ごろから、芦清良集落や町は「この遭難事故を風化させていけない」と動き出し、波に削られた奇岩が立ち並ぶウジジ浜を公園に整備し、船のモニュメントと遭難事故の説明板を設置した。
 2000年に町が110年祭を開催、当時の駐日カナダ大使夫妻や乗組員の遺族も出席し、島民らと国際交流を図った。
 今回の慰霊祭は集落主導で行い、懇親会も企画、地元住民や行政関係者ら70人以上が集まり、犠牲者の冥福を祈るとともに、後世への継承を誓った。
 遺族関係の参列はなかったが、イアン・マッケイ駐日カナダ大使より、「135年前にウジジ浜の人々が示した思いやりと勇気を私たちは決して忘れない」と、先祖の尊い行いとその記憶を今も大切に守り続けていることへの感謝のメッセージが寄せられた。
 同集落の山本先友区長(74)は「先人たちの『博愛の精神』を受け継ぎながら、将来、島の子どもたちをカナダに派遣するなど国際交流も目指したい」と語った。(有川晶子通信員)

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