こうちeyeではシリーズで「県展特選ギャラリー」と題して第79回県展の入賞作品や見どころをお伝えしています。
4回目は、日本画部門です。
県内最大の芸術の祭典「県展」は79回目を迎えました。今年は8つの部門に1378人から2605点の応募があり、このうち1026点が入選以上となっています。県立美術館では洋画・日本画・先端美術の3部門、かるぽーとでは彫刻、工芸、書道、写真、グラフィックデザインの5部門の入賞作品を展示しています。
このうち日本画部門には65人が67点を出品しました。
会場の県立美術館には特選など53作品と無鑑査などの7作品が展示されています。
今年の日本画部門について県展無鑑査の市川雅彦さんに作品を解説してもらいました。
特選に選ばれたのは宗石葉子さんの「水無月」です。鮮やかな大輪のアジサイとその中にたたずみ、じっとこちらを見つめる黒猫が印象的な作品です。
■市川雅彦さん
「骨書きの線(輪郭線)がまだ残るくらいの感じで最短距離で色を付けていったというストレートな描き方で、勢いが感じられる。アジサイの花の中にポツンといる猫にわりと集中する視線が、その配置のおもしろさもあるし。見る人は猫に自分を投影して、こちら側の景色を想像させるようなそんなおもしろさがある作品になっている」
また、将来性あふれる新進作家に贈られる島内松南賞に選ばれたのは、久保美壽子さんの作品。久保さんが通りすがりにふと見かけたという老いた桜。折れてもなお花を咲かせようとする様子に儚さと希望を感じる作品です。
■市川雅彦さん
「現実的な色合いがそのまま出ているのではなくて、やや青っぽい色合いの雰囲気、空気感。そういうのがやっぱり見る人を自然と作者の想像する世界にいざなう、連れて行ってくれる非常に幻想的な雰囲気ももった作品になっていると思う」
30歳以下の受賞歴のない若手作家に贈られる新人賞に輝いたのは、山瀬優奈さんの「雨のさんぽ」です。日常の何気ない風景を瑞々しい感性で切り取っています。
■市川雅彦さん
「犬がいるんですね、小さな犬。持ち主が隠れている。誰が犬を散歩させているのかなと色々想像されるところも遊び心があっておもしろいんじゃないかなと。雨を連想させるような、絵具が垂れたような感じとか、にじんだ感じとか、そういうところもおもしろさもある。これからを期待される新人ではある、ぜひ続けていってほしいと思う」
今年は美しい自然を描き出した力作が多く並んでいる日本画部門。
身近にある風景をそれぞれの作家がどんな風に切り取り、作品として仕上げたのかを鑑賞できるのが日本画部門の魅力でもあります。
芸術の秋。会場に足を運んではいかがでしょうか。
第79回県展は10月19日まで開かれていて県立美術館で洋画・日本画・先端美術の作品をかるぽーとでグラフィックデザイン・工芸・写真・彫刻・書道の作品を展示しています。
次回は工芸部門をお伝えします。
