ようやく秋の訪れが感じられるようになり、サンマやサバなどの魚が旬を迎えています。これから気温が下がってくると生魚を食べる機会も増えますが、家庭での調理は特に注意が必要です。

福岡市中央区大名にある飲食店の一番人気は、福岡県民のソウルフード「ゴマサバ」です。
■元木寛人アナウンサー
「肉厚で、ものすごく脂が乗っています。甘塩っぱいタレとサバの脂、さらにノリの風味も相まって、本当においしいです。」
ただ、提供前の調理では細心の注意を払っていました。

■博多海鮮処 まんぷく屋 大名店・上野剛 店長
「ブラックライトで肉眼では見えないところを照らしています。きょうの(サバ)はきれいなので、おそらくないと思うのですが。」
魚の身を開いて探していたのは、食中毒を引き起こす寄生虫「アニサキス」です。ことしからブラックライトを導入し、これまでよりもさらに入念にチェックするようになりました。そのワケは。
■上野店長
「『(アニサキスが)増えてきたね』『ほかのサンマなどの青魚にもたまにあるよね』と話しています。生魚の提供を自粛している店もあるようです。」

アニサキスは、2センチから3センチの白い糸状の寄生虫です。サバやサンマ、アジなどに寄生するとされ、知らずに食べると激しい腹痛や吐き気、嘔吐などの食中毒症状を引き起こします。

福岡県内では、2022年からアニサキスによる食中毒が急増していて、厚生労働省や県が注意の呼びかけを強めています。
一方、こちらの店で魚をチェックした結果は。
■上野店長
「きょうのは大丈夫そうです。ありませんでした。ゴマサバを楽しみにしている方もたくさんいらっしゃるので、細心の注意を払いながら、できるところまでは提供していきたいと思います。」

自宅で生魚を食べる際も、注意が必要です。福岡市中央区の鮮魚店では、買い物客への声かけを心がけているといいます。
■買い物客
「サンマ、いいですか?刺身でも?」
■船津商店・船津健一社長
「今は“虫”がいるので、刺身より塩焼きの方がおすすめです。刺身はちょっと怖いかな。」
アニサキスが入っているかもしれないとして、加熱して食べるよう伝えていました。
■買い物客
「言われたら怖いなと思いました。(きょうは)塩焼きで。」
この鮮魚店では、ここ数年の変化を実感していました。
■船津社長
「3枚おろし・おなか出しする時に、内臓にいるアニサキスは昔から見ています。ただ、おろした時に身の中に生きたアニサキスが入っているというのは昔はなかった。体感では5・6年前から急に(身に)アニサキスが入っている魚が増えた気がします。」
魚の内臓から身に移動して食中毒を引き起こすアニサキスは、従来、日本海側では少ないとされてきました。それがなぜ増えたのでしょうか。福岡県の担当者ははっきりとは分からないとしながらも、温暖化による潮流の変化が要因の一つではないかとしています。
