老舗喫茶 孫が継ぎ復活 尾張町「<ruby>麗<rp>(</rp><rt>うらら</rt><rp>)</rp></ruby>」 9年ぶり 10日に再開 レトロ感に面影 病床の祖母も助言

創業時のデザインのまま新しくした看板を示す河上勇太さん=金沢市尾張町で

 金沢市尾張町で1970(昭和45)年から2016年まで営業していた「喫茶 麗(うらら)」が、9年ぶりに再開する。難病を患い店を閉めた初代店主・山田須美子さん(89)の孫、河上勇太さん(41)が2代目店主を務める。オープンは10日で、河上さんは「地元の人のコミュニティーの場にしたい」と意気込んでいる。(細見春萌)

 店は、金沢城公園大手門口から約100メートルの場所にある。移転前のNHK金沢放送局のすぐそばで、金沢地方裁判所からも徒歩数分。河上さんによると、山田さんの明るく人と接するのが好きな人柄もあってか、近所の人やビジネスマンでにぎわう店だった。

 ほぼ1人で切り盛りしていた山田さんが病気のため店を閉めた後も、建物の賃貸契約は続け店は残していた。だが昨年、所有者から「営業しないなら退去してほしい」と催促を受けた。

 東京都内で生まれ育った河上さんにとって、祖母の店は金沢に帰省するたびに訪れる実家のような場所。「つぶすのはつらい。歴史が消えてしまうのはもったいない」。東京に家族を残して今春、店を継ぐため単身で金沢に移住した。

 店の壁や一部の家具は新しくしたが、カウンターや食器類は祖母の時代のまま。昭和レトロなゲームテーブルも客用の机として活用する。看板は全く同じデザインで新調した。

 一方で新しい試みも。医療介護施設に入る山田さんに店の再開を報告すると、病床でも商売人の勘が戻ったのか「今の時代、持ち帰りもできた方がいい」と助言。入り口で手渡しできるようにし、店頭で立ち飲みできる場所も設けた。

 10日の開店へ準備を進める中で、近隣住民から「(開店は)まだなの」と毎日のように声がかかる。河上さんは「観光客の休憩の場、地元の人たちの憩いの場にしたい。今後は子ども向けのメニューも考えたい」と期待を膨らませる。

 営業時間は午前9時〜午後6時。月曜定休。メニューは麗ブレンド550円など。軽食も予定している。

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