公開日時 2025年09月29日 05:00
![]()

マンガが印刷されたのれんの展示と京都精華大国際マンガ研究センターの伊藤遊さん=8月、京都市の京都国際マンガミュージアム
この記事を書いた人
![]()
琉球新報朝刊
戦後80年の今年、戦争マンガについて多角的に紹介する「マンガと戦争展2」が11月25日まで京都市の京都国際マンガミュージアムで開かれている。世界で争いがやまない今、担当者は「さまざまな考え方がぶつかり合い戦争が起きていることを、多様な視点で描かれたマンガを通じて考えてほしい」としている。
展示は「食」「外国の戦争」などテーマごとに作品を取り上げている。戦時中でも当たり前にあった日常が変化していく様を描いたおざわゆきさんの「あとかたの街」や、ウクライナの少女が戦渦の暮らしを描いた「ウクライナのあかりちゃん」などの一場面をのれんに印刷。鑑賞者がのれんをくぐることで、作品やテーマについてより身近に感じられるよう工夫されている。
戦後70年の2015年に第1回を開催。反響を呼び、米国も巡回した。京都精華大国際マンガ研究センターの伊藤遊さんは「この10年間でロシアのウクライナ侵攻が起きるなど世界情勢が変化し、戦争が遠くのファンタジーではなく、自分事になった」と話す。
今回、「新・沖縄」と題してさいとう・たかをさんの「ゴルゴ13 琉球の羊」も紹介。また、沖縄出身の漫画家新里堅進さんが沖縄戦を描いた「ヤンバルの戦い」「シュガーローフの戦い」などの原画60枚以上も展示している。「基地問題を抱え続ける沖縄は今も“戦争状態”にあると言えるのではないか」と伊藤さんは指摘する。
6月には展覧会を沖縄で開催。「戦争はよくないということを、マンガを通じて実感できる。歴史を学ぶための入り口にもなる」などの感想が聞かれた。
立命館大の安斎育郎名誉教授(平和学)は「戦争体験者が高齢化する今、戦争マンガは『個の記憶』を『社会的記憶』として保全し、次世代に伝える普遍的な方法の一つだ」と話す。「多様な戦争マンガから何を読み取るべきか、思案しながら鑑賞することを期待したい」と話している。
