2025年9月24日 12:00
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店頭に立つ店主の内海さん(左から4人目)ら。店内は広く、最大100人が利用できる

人気メニューのヒレかつセット。ヒレカツ2個に大ぶりなエビフライ、刺し身が一度に楽しめる

 「わいどローカル編集局」は石巻地方の特定地域のニュースを集中発信します。32回目は「東松島市赤井地区」です。

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愛されて50年以上、食事処こばると

 東松島市の国道45号に面した店舗駐車場に、「食事」と書かれたインパクトのある看板が立つ。昼時の店内は、定食や麺類を求める客でにぎわう。「食事処こばると」は1971年、店主の内海教秀さん(78)が開業。地元内外の客に愛され創業50年以上を数える。

 トラック運転手だった内海さんが、各地ではやっていたドライブインを開こうと店を構えた。店名は、オープンと開通が重なったコバルトライン(県道牡鹿半島公園線)にちなんで名付けた。三陸沿岸道がなかった当時、周辺は国道45号がメイン道路。車の往来も現在より盛んだったという。

 定食やセットメニュー、丼物、麺類といった約50種類を提供する。中でもヒレカツとエビフライ、刺し身が一度に楽しめる「ヒレかつセット」(1380円)が人気。そばとうどんは自家製麺で、「三陸そば」(1350円)はざるそばと刺し身を味わえる。刺し身は県内で水揚げされたマグロやタイなどを使う。

 手頃な価格が並ぶ中、サーロインステーキやうな重といった豪華メニューも用意する。内海さんは「あまり知られていないが焼き肉やステーキもある。気軽に足を運んでほしい」と話す。

■メモ:営業は平日昼が午前11時~午後3時、夜は午後5~8時。土日祝日は午前11時~午後8時。第2、4木曜定休。出前やテイクアウト、40~50人の宴会、お祝い膳などにも対応する。東松島市赤井新川前16の3。連絡先は0225(82)4859。

盲導犬ユーザー石川さん、理解広める活動

パートナーのデュオとの生活を語る石川さん

 「行ける場所や出会いが増えた。自分は1人じゃない」。東松島市赤井の盲導犬ユーザー石川順子さん(41)は、ラブラドルレトリバー「デュオ」(雄4歳)との生活を笑顔で語る。

 石川さんは20歳の頃に、光を受け取る網膜の視細胞が徐々に機能を失い失明につながる難病「網膜色素変性症」の診断を受け、白杖(はくじょう)を手に暮らしていた。

 車の免許を返納せざるを得ないなど生活に変化が生じ「白杖の自分を見られたくなかったり、障がい者だと認めたくなかった時期もあったりと、気分が沈むこともあった」と振り返る。

 そんな生活を変えようと、盲導犬について調べ、2022年春、初代のパートナー「ラズベリー」と出合った。「外を歩くと、景色を想像する余裕が生まれた。風を切ってどんどん歩けるのも気持ちいい」と石川さん。活力が戻った。

 直後に視覚障害者と支援者らでつくるNPO法人「一歩を楽しむ石巻」の若山崇代表と出会い、石巻地方の小学校や高校などで、盲導犬や視覚障害者への理解を広める活動に取り組む。

 出前授業では盲導犬との接し方を説明。「ハーネスを付けている間は人の命を守る仕事中なので、勝手に触るなどやってはいけないことがある」と強調する。

 デュオとの暮らしは23年5月から。今年は初めて県外で講話をする機会があり、活動の幅を広げるが、外出先では盲導犬がペットと認識され、今でも飲食店や宿泊施設などで入店を断られるケースもあるという。

 石川さんは現在、視界の95%が見えない。「社会全体で自分の周りに視覚障害者がいるという意識が足りない。周囲に気を使って閉じこもり、白杖や盲導犬を返却することがあってはいけないので、助け合いの精神が広まってほしい」と願い、活動を続けていく。

高校生漫才コンビ、目標はサンドウィッチマン

ネタを披露するボケ担当の薄井さん(左)とツッコミ担当の平塚さん

 赤井地区の高校2年生、薄井蓮さん(17)と平塚羚愛(れあ)さん(17)は、漫才コンビ「オリズル」として活動している。小学2年の春に結成したコンビ歴は9年を超える。ネタ作りを続け、学校行事などで舞台を踏んできた。

 2人は小学1年の時に出会い、お笑いに興味を持った薄井さんが「ビビッと来た」平塚さんをコンビの相手に誘った。赤井小、矢本二中、石巻北高の同級生で、薄井さんがボケ、平塚さんがツッコミを担当。ネタは主に薄井さんが考え、2人で完成させていく。ドラマのワンシーンや恋愛ネタなどを取り入れ、漫才に生かせそうなことや思い付いたせりふをスマートフォンのメモ機能に書き込む。

 学習発表会や文化祭、地域の行事でステージに立つ機会を広げる中で、成長につながったと感じる出来事がある。中学3年の時に文化祭で漫才を披露した。ある先生から「おもんない(面白くない)」とはっきりと言われたが、その先生はネタの構成の仕方を助言してくれた。厳しくも温かい言葉がきっかけで、ネタ作りについてより考えるようになった。

 10月には地元の一大イベント「オール赤井まつり」でアシスタントMCを務め、漫才も披露する予定だ。祭り関係者の後押しも受け、活動の幅を広げる。

 目標とするお笑い芸人は宮城出身のサンドウィッチマン。高校卒業後はアルバイトでお金をため、東京進出を目指す。

 薄井さんは「お客さんに楽しんでもらえる漫才をやりたい。自分も一緒に楽しみたい」と話す。悲しいことがあった時、テレビでお笑いを見て元気づけられたという平塚さんは「泣いている人も笑わせられる漫才師になりたい」と抱負を語った。

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 赤井販売店と連携し、大谷佳祐、及川智子の両記者が担当しました。次回は「東松島市矢本地区」です。

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