欧州連合(EU)はイスラエルに対する制裁パッケージを提案した。パレスチナ自治区ガザの人道状況悪化に対応し、イスラエルに付与していた通商上の優遇措置停止などを盛り込んだ。

  EUの執行機関、欧州委員会は17日、イスラエルとの連携協定の一部停止を提案すると発表した。これによりイスラエル製品は、EUと貿易協定を結んでいない国々と同じ関税率を課されることになる。

  欧州委員会の高官によれば、これが実現するとイスラエルの輸出品には年間約2億2700万ユーロ(約400億円)の追加関税が課される。イスラエルにとってEUは最大の貿易相手だ。

  イスラエルに対しては、ガザの惨状に世界的な非難が巻き起こっている。それでもイスラエルはガザ市中心部への大規模な軍事作戦を決行したため多くの住民が再び避難を強いられ、非難の声はいっそう高まった。

  イスラエルの最重要同盟国である米国はこの軍事作戦を支持しているが、欧州やアラブの多くの国はパレスチナ人の被害拡大につながるとして、即時停戦を呼び掛けている。ガザ市中心部への攻撃と直接の関連はないものの、国連の調査委員会はイスラエルがガザで行っている行為はジェノサイド(集団虐殺)だと結論づけた。イスラエルはこれを断固否定している。

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  EUの対イスラエル制裁実施には、特定過半数の承認が必要。ドイツをはじめとする複数の国は制裁に反対している。

  欧州委員会のフォンデアライエン委員長は先週、欧州議会で「過半数確保が難しいのは承知しているが、EUの全加盟国が責任を負わなければならない」と述べていた。

  EUの制裁案には、イスラエルの極右閣僚2人に対する制裁や同国との技術協力で約2000万ユーロの資金支援の停止、ハマス関係者10人への制裁も含まれている。

  イスラエル経済や長期的な見通しに戦争が及ぼす影響について、投資家は不安を強めている。同国株式市場は6日続落で、ドル換算で今月の下落率は世界最悪の部類に入る。ネタニヤフ首相が今週、イスラエルの国際的な孤立は深まっていると認め、制裁に持ちこたえるため自立する必要があると語った後、市場では売りが加速した。

原題:EU Proposes Suspending Israel Trade Perks Over Human Rights (2)(抜粋)

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