公開日時 2025年08月31日 05:00更新日時 2025年08月31日 13:12

沖縄など「地政学的断層帯」ができることは? 韓国の白氏「人間の安保フォーラム」で来県
インタビューに応じる白鶴淳氏=30日、糸満市の県平和祈念公園

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琉球新報朝刊

 琉球新報社などによる戦後80年企画「人間の安全保障フォーラム」に来賓として招かれた韓国のシンクタンク「世宗研究所」前所長で、金大中学術院の院長を務める白鶴淳(ペクハクスン)氏が30日、インタビューに応じた。韓国や台湾、沖縄は「東アジアの地政学的断層帯」とした上で「この地域では緊張を緩和し、平和を求める以外に選択肢はない」と述べ、米中の軍事的衝突を避ける方向に人々の意識を向けていく必要があるとの考えを示した。

 白氏は「地政学的断層帯」という考え方について、地震を引き起こすプレート(岩盤)に例え、戦争や紛争を引き起こす「欧米のプレート」と「中ロのプレート」が「激しくぶつかり合う地域」と表現。東アジアでは韓国や沖縄、台湾がそれにあたり、ウクライナやガザは西の地政学的断層帯にあたるとした。

 台湾有事が喧伝(けんでん)され、軍事的緊張を高めているという沖縄の不安について「理解できる」とした上で、「バランスが大事だ」と語り、沖縄側が求めない限りは軍事的負担を増やすべきではないとの考えを示した。台湾有事が起きるかについては疑問を示しつつ「21世紀の東アジアでウクライナやガザの悲劇を起こしてはならない」と強調した。

 フォーラムでは、地上戦を体験した沖縄と原爆が投下された広島、長崎の3地域の元首長らが意見を交わす。白氏は「戦争の犠牲者として、平和の大切さを世界に発信する責任がある」と評価。朝鮮半島では分断が80年近く続いていることに触れ、戦争や戦後の歴史を共有することで「分断を超え、平和への思いで沖縄と東アジアがつながり、一緒に平和を達成していくことはできる」と語った。

(中村万里子、松堂秀樹)

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