ブエルタ・ア・エスパーニャ(通称:ラ・ブエルタ)はグランツール最終戦に相当する自転車ロードレースで、2025年もトップライダーたちが栄光のレッドジャージ(個人総合優勝:マイヨ・ロホ)を目指して3週間に渡りイタリア・フランス・アンドラ・スペインを走行する。

グランツールの中では最も歴史が浅いラ・ブエルタは、2025年に80回目の開催(1935年の第1回開催から90年目)を迎える。元々は4月から5月にかけて開催されていたが、ジロ・デ・イタリアとかぶらないように1995年から晩夏開催に変更された。ブエルタ・ア・エスパーニャのジャージ:(左から)山岳賞・個人総合優勝・ポイント賞

ブエルタ・ア・エスパーニャのジャージ:(左から)山岳賞・個人総合優勝・ポイント賞

© Kristof Ramon/Red Bull Content Pool

現在のラ・ブエルタは世界3大ロードレースであるグランツールのひとつだが、多くのライダーはUCIロード世界選手権の準備として使用している。一方で、ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスに出場し、不甲斐ない成績に終わったライダーたちが雪辱を期して望むレースでもある。

出場ライダーの顔ぶれは関係なく、ラ・ブエルタは毎年スタートから激しいバトルが繰り広げられる。山岳地帯が多く含まれ、かなり強烈な天候コンディションにも見舞われるが、2025シーズンもグランツール最終戦に相応しい盛り上がりを見せるはずだ。

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ブエルタ・ア・エスパーニャ2025:概要

80回目のラ・ブエルタは2025年8月23日に史上初のイタリアスタートで開幕する。トリノからスタートしてイタリア北西部を4日間走行したプロトンは第4ステージでアルプスを越えてフランスへ入り、ボワロンでフィニッシュする。

その後、チームタイムトライアルの第5ステージはスペインで開催されるが、第6ステージはアンドラでフィニッシュし、第7ステージはアンドラからスタートする。このあとスペイン北部を巡って内陸部での最終4ステージに突入し、9月14日に首都マドリードでフィナーレを迎える。

ラ・ブエルタの平坦ステージは暑さとの戦いになる

ラ・ブエルタの平坦ステージは暑さとの戦いになる

© Kristof Ramon/Red Bull Content Pool

ラ・ブエルタは厳しいクライムが多いことで有名

ラ・ブエルタは厳しいクライムが多いことで有名

© Kristof Ramon/Red Bull Content Pool

合計21ステージで構成されている今年のラ・ブエルタは、第5ステージにはチームタイムトライアル、第18ステージには個人タイムトライアルが設定されており、第9ステージと第15ステージの翌日は休息日が設けられている。

過去最多となる23チームのライダー184名で構成されるプロトンは、トリノでのグラン・デパールからマドリードでのゴールまでの合計走行距離3,180km・獲得標高54,588mに挑む。尚、走行距離はグランツール最短で獲得標高はグランツール最高となる。

個人総合優勝のライダーにはマイヨ・ロホ(レッドジャージ)が渡されるが、ラ・ブエルタにもポイント賞・山岳賞・ヤングライダー賞のジャージが用意されており、ツール・ド・フランスと同じようにそれぞれグリーン、水玉(ブルーとホワイト)、ホワイトのカラーリングとなっている。

美しい景観も魅力のひとつ

美しい景観も魅力のひとつ

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ブエルタ・ア・エスパーニャ2025:コース解説

伊:イタリア / 仏:フランス / ア:アンドラ / 記載なし:スペイン

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ブエルタ・ア・エスパーニャ2025:出場ライダー

優勝候補は? 欠場選手は? 復帰選手は? ブエルタ・ア・エスパーニャ2025はトップライダーの一部が出場しないこともあり、個人総合優勝争いが激化する予定だ。

ツール・ド・フランス2025を制したタデイ・ポガチャルは、ツールとラ・ブエルタの2冠を目指していると語っていたが、9月後半にルワンダで開催されるUCIロード世界選手権連覇とシーズン最終ワンデイレースのイル・ロンバルディア5連覇を狙うために今年のラ・ブエルタを欠場することを発表した。レッドジャージを狙うジャイ・ヒンドレー

レッドジャージを狙うジャイ・ヒンドレー

© RCS Sports & Events/Red Bull Content Pool

また、ラ・ブエルタ史上最多優勝タイ記録保持者で現王者のプリモシュ・ログリッチもすでに今年のジロとツールに出場したことからラ・ブエルタは欠場し、レッドブル=ボーラ=ハングスローエでログリッチのチームメイトを務め、ツール2025で個人総合3位とマイヨ・ブランを獲得したフロリアン・リポヴィッツもカナダでの2レースとイタリアでのワンデイクラシック1レースでシーズンを終える。

とはいえ、今年のラ・ブエルタのスタートリストが魅力に欠けるわけではなく、ラ・ブエルタ優勝経験者(セップ・クスとナイロ・キンタナ)以外にも優勝候補が数多く存在する。その筆頭がヨナス・ヴィンゲゴーで、最大のライバルであるポガチャルがいない状況でラ・ブエルタ初優勝が記録できるかどうかに注目が集まる。

トム・ピドコックはステージ優勝を狙う

トム・ピドコックはステージ優勝を狙う

© Charly López/Red Bull Content Pool

ツール優勝2回を誇るヴィンゲゴーにはクスとマッテオ・ジョーゲンソンがアシストにつくが、ポガチャルが所属するUAEチーム・エミレーツ・XRGのジョアン・アルメイダとフアン・アユソがグランツール初優勝を狙ってくるため、優勝は簡単には手に入らないだろう。

他には、母国ファンから大きな声援を受けることになるスペイン人ライダーのミケル・ランダにも注目が集まる。また、グランツール優勝経験があるエガン・ベルナル、ジャイ・ヒンドレー、リチャル・カラパスや、トム・ピドコックやジュリオ・ペリツァーリのような新世代ライダーたちも優勝候補に含まれる。ポイント賞候補はやや少ない印象だが、ジロ・デ・イタリア2025でマリア・チクラミーノ(パープルジャージ)を獲得した経験を持つマッズ・ピーダスンが最有力候補と言えるだろう。また、山岳賞はアユソとペリツァーリを含む山岳に強いGCライダーたちの間で争われる可能性が高い。

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