JPモルガン・チェースのクオンツ・ストラテジストらは、企業収益の下方修正が増す中でも株式市場が過熱的に上昇しており、市場に油断の兆しが見え始めていると指摘した。

  株価は4月の下落を経て、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後を上回るペースで反発し、世界の先進国株式市場を対象としたMSCI世界指数や、多くの地域別株価指数が過去最高を更新している。一方で、クラム・チョードリー氏率いるJPモルガンのチームは、コンセンサス・データによると、世界的に業績予想の下方修正が上方修正を大きく上回っていると指摘している。

  同チームは、「現在は強気のセンチメントと投機が広がり、楽観ムードが高まっているように見える。売り手側のアナリストがここから業績見通しを引き上げ始めるのか、それとも市場が大きなボラティリティーや調整局面に直面するのか、いずれにせよ、何らかの転機が迫っている」としている。

relates to 株式市場に油断の兆し、企業収益の下方修正相次ぐ中での過熱的上昇

 

Source: J.P. Morgan Quantitative and Derivatives Strategies

  世界全体の業績予想は、この1カ月で14.3%、3カ月では18.7%低下している。現時点では、米国はテクノロジー部門が堅調なため下方修正が比較的少ないが、アジアや欧州では、1株当たり利益(EPS)の下方修正が増加しているという。関税を巡る不透明感が続く中、欧州では業績見通しが弱含んでおり、特に化学部門を中心に下方修正が相次いでいる。

  一方、米国では、ナスダック100指数が4月の安値から35%も上昇したことを受け、テック大手各社への期待が高まっている。ただし、チョードリー氏らは米国市場について「しかし、後半にはほころびやボラティリティーの高まりがますます予想される。投資家は市場の資金の移動の可能性に注意を払うべきだ」と述べた。

Global Equities Are Rising Much Faster Than Earnings | Investors may expect stronger growth acceleration than analysts

 

 

  また、同氏らは、金融緩和による市場の押し上げを期待する動きについても、今後12カ月間で3~4回の利下げが織り込まれている現状について、「市場心理の好転というよりも、むしろ基調的な弱さの表れである可能性が高い」として、素直に好材料と受け止めるべきではないとしている。

原題:JPMorgan Warns of Stocks Complacency as Earnings Outlook Dims(抜粋)