14日の日本市場は長期金利が上昇(債券相場は下落)している。参院選で与党が一段と苦戦していると伝えられ、財政拡大懸念が強まっている。

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Japan's Prime Minister Shigeru Ishiba Campaigning For Upper House Election

選挙戦での石破首相(中央)

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  新発10年、20年、30年物国債利回りはいずれも2カ月弱ぶりの水準に上昇。20日投開票の参院選では自公で過半数を割り込む可能性があるとJNNが伝えた。選挙後に財政政策が拡大するとの思惑が広がり、債券が売られている。株式は下げ渋り、円は対ドルで方向感を欠く動き。

  根強い財政懸念でドイツの長期金利、インフレ懸念から米国の長期金利の水準が切り上がっている影響も日本の長期金利は受けている。トランプ関税はリスクオフから金利低下に結び付きやすいが、日本では財政悪化懸念がより響いている。

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  みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは14日付リポートで、与党の過半数割れの場合は首相交代や政権枠組みの拡大が検討される可能性が高まるとし、グローバルで財政リスクが意識されやすい状況下で超長期金利に対する押し上げ圧力となりやすいと指摘した。

14日の国内債券・株式・為替の動き-午後1時36分長期国債先物9月物は一時前週末比52銭安の138円05銭に下落新発10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い1.56%新発20年債利回りは6.5ベーシスポイント(bp)高い2.565%新発30年債利回りは7.5bp高い3.115%10年、20年、30年ともに5月23日以来の高水準東証株価指数(TOPIX)は前週末比0.2%高の2829.98日経平均株価はほぼ横ばいの3万9566円92銭円は対ドルでニューヨーク終値比で横ばいの147円35銭債券

  債券相場は下落。長期金利は約2カ月ぶりの高水準を付けた。米長期金利がインフレ懸念再燃への警戒から上昇したことを受けて売りが先行、参院選を控え財政悪化への警戒感も売りにつながっている。

  アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは「米金利上昇や20日の参院選に向けた警戒感から売りが出ている」と指摘。「財政拡大への警戒やトランプ関税を巡る不透明感からリスクを落とす動きが国内市場でも効いているのではないか」との見方を示した。

  参院選について、岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは「与党が過半数を取れないと政権の枠組みがどうなるかを含め選挙後も不透明感が残り、投資家は積極的に動きにくい」と述べた。

株式

  下落して取引を開始した日本株は下げ渋っており、日経平均とTOPIXは上昇に転じる場面がある。為替相場が11日の東京市場終値比では円安で推移しており、自動車や機械が買われている。

  また、トランプ米大統領が「14日にロシアについて重要な声明を出すつもりだ」と語ったことで、三菱重工業といった防衛関連株が取引量を伴って値上がりしている。

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  丸三証券の高橋侑也アナリストは「詳細がまだ分からないが、 重大なことを発表するようで、防衛関連にポジティブに効いている可能性がある。中期的に防衛費増額の話もあり、買いやすい」と述べた。

  東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、輸出企業にとって想定以上の為替の円安は業績や株価を下支えしやすいと述べていた。

為替

  円相場は対ドルでニューヨーク終値を挟んで上下に振れる動きになっている。

  円は貿易摩擦への警戒感に加え、前週末に下落した反動もあり、ポジション調整から買いが先行。その後、参院選での与党過半数割れへの警戒などから売られる場面もあった。

  外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は「これまで円を買っているのは海外投機筋が中心」と指摘。国内では個人を含めた投資家が円を売り越していると推察され、東京市場でリスク回避の展開になると「円を買い戻すニーズの方が強い」との見方を示した。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

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