フランスのマクロン大統領は13日、国防費の増額という「新しく」かつ「歴史的な」取り組みを行うと述べた。欧州で自由への脅威が加速している状況や、今後数年以内に全面的な戦争が起きるリスクに対応する。

  マクロン氏は演説で、大統領就任時の2017年と比べて年次国防予算を倍増し、27年までに640億ユーロ(約11兆円)にすると表明。従来は29年までの達成を計画していた。来年に35億ユーロ、再来年には32億ユーロの予算増額が必要となる。

  同氏はテロから電子戦争や無人機戦争まで幅広い脅威を列挙し、特にロシアからの恒常的かつ組織的な脅威を強調した。平和を確保するためには、欧州がロシアの脅威に対し抑止力を示す必要があると訴えた。

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軍幹部に向けて演説を行うマクロン仏大統領(7月13日)

Photographer: Ludovic Marin/AFP/Getty Images

  マクロン氏は、パリで14日に開催される毎年恒例の軍事パレードを控え、軍に向けて演説を行った。「1945年以降に自由がこれほど脅かされたことはなく、また、欧州の平和が現在のわれわれの決断にこれほど左右されたこともない」と指摘。「端的に言うなら、世界で自由であるためには畏怖されなければならず、畏怖されるためには強くなければならない」と述べた。

  今回の計画は、フランスの力を誇示したいマクロン氏の意向を反映している。ウクライナや中東の戦争によって西側諸国の安全保障見通しは一変し、多くの国はこれまで防衛支出に消極的だった姿勢の見直しを迫られている。

  ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が今年発表した報告書によれば、世界の国防費は昨年に少なくとも冷戦終結以降で最大の伸びを記録。ロシアを含む欧州の国防費は前年比17%増の6930億ドル(約102兆円)だった。

原題:France’s Macron Raises Defense Budget, Says Europe Under Threat(抜粋)

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