トランプ米大統領がイスラエルによるイランの核プログラム攻撃支援で米軍派遣の可能性を示唆し、「米国第一主義」支持層の反発を招いている。ただでさえ諸政策を巡って結束し切れない共和党の分裂が、一段と深まっている。

  最終的な判断についてトランプ氏は依然として明言を避けているものの、イスラエルが攻撃を開始して以降、イランに関する発言は好戦的に傾き、米国は戦争への関与に一歩近づいた状況だ。

  一部支持層の反発を招いているのは、トランプ氏が展開する「MAGA(米国を再び偉大に)」運動の根幹と明確に矛盾するためだ。運動の風潮は、米国の長年にわたるイラクやアフガニスタンでの軍事関与に有権者が不満を募らせる中で形成されてきた。トランプ氏は2024年の大統領選で反戦姿勢を強め、無計画なアフガニスタン撤退についてバイデン前大統領を非難し、海外での紛争への関与を避けるとしていた。

トランプ氏がイスラエルのイラン攻撃についてコメント

Source: Bloomberg

  トランプ氏は先月も中東での演説で、この地域で行われた戦争について米国の「ネオコン(新保守主義派)」を厳しく非難。中東について「さまざまな国、宗教、信条を持つ人々が、互いを爆撃して滅ぼし合うのではなく、都市を共に築き上げる場所」にしたいと述べていた。

President Trump Makes First Middle East Trip Of His Second Term

サウジアラビアでの投資フォーラムで話すトランプ米大統領(5月13日)

Source: Getty Images Europe

  しかしイランの問題についてトランプ氏が主張を繰り広げる中、MAGA支持者の間で亀裂が深まっている。

  トランプ氏と、元FOXニュース司会者タッカー・カールソン氏は、「米国第一主義」を巡り対立。カールソン氏は、イスラエルとイランの衝突に米国は関与すべきではないと主張した。

  右派ソーシャルメディアインフルエンサーで熱烈なトランプ氏支持者のローラ・ルーマー氏は、トランプ氏の擁護に加わった。

  共和党のグラム上院議員はかねて、米国によるイラン攻撃を主張しており、トランプ氏に行動を促したと語った。さらに、共和党員の90%がトランプ氏のイスラエル支援を支持しており、米国民の大多数が、武力行使を伴ってでもイランの核計画阻止は「絶対に必要」だと考えているとした。

  ただグラム氏が示した数字は楽観的過ぎるかもしれない。6月13日から16日にかけて実施されたユーガブの世論調査によると、米国人の半数はイランを敵国と見なしているものの、イスラエルとの戦争に米国が軍事介入すべきでないとの回答は約60%に達した。共和党支持者の間でも53%が同様の意見だ。

  見方によっては自らを戦争へと駆り立てるかのように、あるいは少なくともそうした選択肢を正当化するかのように、トランプ氏はイランが核兵器を保有してはならないといった長年の主張を強調している。

  大統領1期目にイランの核開発を制限する国際合意から離脱したトランプ氏は、イランの核保有の可能性について、米国や同盟国への重大な脅威と位置付けている。

    トランプ氏は18日、記者団に対し、共和党内の不一致を認め「今は少し不満な人もいるかもしれないが、非常に満足している人もいる」などと話した。

  一方で今回の騒動が支持基盤の分断につながるとの見方を一蹴し「支持者らは私を支持している。私の支持者らは米国第一主義だ」と述べている。

原題:Trump’s Iran War Talk Testing His Ties With MAGA Loyalists (1)(抜粋)

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