ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計会社、アーム・ホールディングスのレネ・ハース最高経営責任者(CEO)は、米国の対中輸出規制は全体的な技術革新のペースを鈍らせ、最終的には消費者や企業に不利益となるとの考えを示した。米中の緊張緩和を求める米エヌビディアのジェンスン・フアンCEOらと歩調を合わせる格好だ。

Key Speakers At The Founders Forum Conference

アームのレネ・ハースCEO

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  ハース氏は12日、オックスフォードで開かれた会議でブルームバーグとのインタビューに応じ「テクノロジーへのアクセスを制限し、他のエコシステムに自立成長を強いることは良くない」と発言。「言うなれば、市場全体のパイが小さくなる。率直に言って、それは消費者にとってあまり良いことではない」と述べた。アームの中国における事業展開は「非常に大きい」とも付け加えた。

  アームやエヌビディアなどの半導体企業は、禁輸措置が中国に独自の産業育成を促し、最終的には米国にとって裏目に出る可能性があると警告を強めている。米国はここ数年、最先端の半導体や製造装置の対中輸出を制限してきた。人工知能(AI)から量子コンピューティングに至るまで、あらゆる分野で中国の技術的台頭を阻止することが目的だ。

  トランプ米政権は4月、中国向けのデータセンター用プロセッサー輸出に新たな制限を課し、エヌビディアを事実上この市場から締め出した。エヌビディアは先月、この規制により5-7月(第2四半期)の中国売上高が約80億ドル(約1兆1500億円)減少するとの見通しを示した。

  エヌビディアのフアンCEOは4月下旬、米国の輸出規制に対してこれまで以上に強い批判を展開し、こうした規制は米企業がビジネスチャンスを生かす上で妨げになっていると主張した。

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  アームとエヌビディアは長年にわたる関係を持ち、アームは一時エヌビディアの買収対象となったが、規制上の障壁でエヌビディアは買収を断念した。アームの中央演算処理装置(CPU)は、エヌビディアの画像処理装置(GPU)と組み合わせることで、AI用途の計算処理を高速化させる。これにはエヌビディアの「グレース・ブラックウェル」プラットフォームが含まれる。

  ハース氏は米中間の緊張が高まる中、自らロビー活動を強化していると話した。

  過去1年半ほどワシントンで過ごす時間が長い時期はなかったと振り返り、「現政権にはわれわれの業界とつながりのある優秀な人物が多い。われわれの声をしっかり届けたいと考えている」と語った。

原題:Arm CEO Sides With Nvidia Against US Export Limits on China(抜粋)

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