公開日時 2025年05月03日 15:38更新日時 2025年05月03日 19:14
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山形県村山市で居合道の体験プログラムに参加した外国人観光客(同市提供)
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共同通信
居合道発祥の地とされる山形県村山市で、観光客が日本刀の真剣を使って試し切りをする人気の体験プログラムが中止に追い込まれた。日本文化に触れるユニークな取り組みとして訪日外国人らに好評で、政府から表彰も受けたが、警察庁が銃刀法に抵触するとの見解を昨年示し、一転して開催NGに。地元は落胆しつつも、試し切り見学のみのプログラムに切り替えて誘客を図る。
さやに収めた日本刀を素早く抜き放つ所作で知られる居合道。戦国時代から江戸時代にかけて活躍した剣豪林崎甚助重信が始めたとされ、出身地の村山市内には、始祖をまつる全国唯一の林崎居合神社もある。
市観光物産協会は2017年、居合道の歴史や精神をより深く知ってもらおうと、道着を着て真剣で畳筒を切る観光プログラム「サムライ体験」を始めた。当時、市は山形県警に真剣の使用を相談し「問題ない」との回答を得たという。体験は訪日客を中心に人気となり、24年度の体験者137人のうち外国人は6割超に上った。
国も取り組みを注目。文化庁や観光庁などは「日本独自のコンテンツとして海外へのアピールになる」として、21年にスポーツ文化ツーリズムアワード特別賞を贈った。
しかしその後、観光客に試し切りさせている各地の事例を警察が把握。真剣を使い誤って他人にけがをさせたり、悪意ある人物に凶器として使われたりする危険性があると問題視した。警察庁は昨年12月、正当な理由がある場合を除いて刀剣の携帯を禁じる銃刀法の解釈を明示する形で、観光客の試し切りは「原則として許容されない」との通達を警視庁や道府県警に出した。
村山市では現在、師範による試し切りを見学するプログラムに変更し、サムライ体験を継続している。担当者は「日本刀を握ってみたかったという声もあり、残念だが仕方がない。観光客の要望に応えるプランで満足度を高めたい」と話した。