トランプ米大統領はメキシコとカナダに発動した関税で、自動車については1カ月間適用を除外する。ホワイトハウスが5日明らかにした。自動車業界からの働き掛けを受け、一時的に猶予を与える形となった。
ホワイトハウスのレビット報道官は「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に準拠した自動車ならば、適用を1カ月間除外する」と述べた。USMCAはトランプ氏が大統領1期目当時にカナダ、メキシコと締結した貿易協定。報道官は「相互関税はなお4月2日に発効するが、USMCAと関係のある企業からの要請を受け、大統領は1カ月の猶予を与え、経済的な不利益が生じないよう配慮した」と説明した。
また、ホワイトハウスの高官によると、適用除外はUSMCAに準拠した自動車部品も対象になる。
今回の動きは、トランプ政権が米国内に自動車工場を追加で確保するために複数の方面で取り組んでいることを浮き彫りにしている。米国への投資と生産をさらに増やす計画を練る時間を自動車メーカーに与えることも、猶予が設けられた一因だと関係者の一部は述べている。
関係者によると、政権当局者は4日にフォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)、ステランティスのトップと会合し、この問題について協議した。
5日の米国株式市場では自動車メーカーの株価が大きく上昇。ステランティスは9.2%高と2022年3月以降で最大の上げを記録。GMは7.2%、フォードは5.8%それぞれ上昇した。
デトロイトの自動車大手は、壊滅的な打撃を受ける恐れがあるとして、トランプ大統領の関税措置の停止、または見直しを強く求めていた。
GM、フォード、ステラティス各社はそれぞれの発表資料で、USMCAに準拠した自動車の一時的な適用除外についてトランプ氏に感謝の意を示した上で、それぞれがUSMCA発効以来、米国における既存および計画中の投資に数十億ドルを投じていると強調した。
トランプ氏は5日、ソーシャルメディアへの投稿でカナダのトルドー首相と電話で話したことを明らかにした。この中で、カナダからのフェンタニル流入が停止したとは考えられないと述べ、状況はトルドー首相の政策が原因だと非難した。トランプ氏は「電話は一応友好的なムードで終わった」としつつも、トルドー氏が「この問題を利用して権力にとどまろうとしている」と批判した。
トルドー首相はこれより先、トランプ氏がカナダに対する関税を全て解除するまで、報復措置を維持する意向だと、同国政府高官が明らかにしていた。
関連記事:カナダ、米国がすべての関税解除するまで対抗措置やめず-当局者 (1)
これとは別に、トランプ氏はカナダとメキシコからの輸入品に課す関税について、一部農業製品の適用除外を検討していると、ロリンズ農務長官が明らかにした。
関連記事:トランプ米政権、一部農業製品の適用除外検討-カナダ・メキシコ関税
原題:Trump to Delay Canada, Mexico Tariffs on Autos for One Month (2)(抜粋)
(ホワイトハウス高官の発言や自動車各社の反応を追加し更新します)
