ロシアの石油タンカーに対する米国の制裁が弱まりつつある兆候が見られている。ブラックリストに掲載されたタンカーの一部がロシア産原油の輸送に向け、1年余りで初めて貨物を積み込んだ。
ロシアの原油輸送と戦費を調達する能力を制限する上で、米国の制裁は重要な役割を果たしてきた。だが、ここ数日、制裁対象の3隻のタンカーがロシア極東産のソコル原油を積み、地域の主要港を出発した。衛星画像からは、制裁が科されて以来、ナホトカ港の西側の係留地にとどまっていたさらに多くのタンカーが再び動き始めた様子が見て取れる。
ロシアにとっては、石油収入の足かせとなってきた高騰する輸送費や世界への供給能力が課題だ。だが、再稼働するタンカーが増えれば、それだけ西側の制裁を迂回(うかい)しやすくなる。
ロシアはこれまでにも、ほぼ無名の船主が所有するタンカーをかき集め、船主を頻繁に変え、西側政府の漢詩が届かない国・地域に籍を置き、西側企業が提供するサービスを避けるなどで、タンカーを対象とする制裁をかいくぐってきた。
だが、退任間近のバイデン政権が1月に161隻のタンカーを対象とするなど制裁を強化すると、ロシア産原油の流れは一時的に抑制された。この後を受けたトランプ政権はウクライナでの停戦を強く推進しており、ロシアの原油取引に対する制限の緩和に道を開く可能性がある。
3月9日までの4週間で、ロシアの全ての港からの原油輸送量は日量約30万バレル増え、2023年1月以来の大幅な伸び。平均輸送量は日量337万バレルと、昨年11月以来の水準に上った。
Seaborne Crude
Russia’s seaborne crude shipments (2022-2025)
Source: Vessel tracking data monitored by Bloomberg
原題:Russian Oil Flows Surge in Sign US Sanctions Starting to Crumble(抜粋)
