一問一答インタビューで知る、田中選手の素顔
陸上に対してストイックであることで知られる田中。食に関しては意外な一面も
写真 落合直哉
まるで哲学者のように陸上選手としての自分を突き詰めて考えるストイックな田中だが、一方でプライベートではどのような素顔が秘められているのだろうか。知られざる一面を掘下げるべく、一問一答インタビューを実施。陸上編とプライベート編の2つのテーマで率直な思いを語ってもらった。
【陸上編】
陸上をやっていてもっとも楽しいと感じる瞬間はいつですか?
自己ベストが出た時です。練習でも試合でも、過去の自分を超えられたと実感できる瞬間がもっとも楽しいですし、何より嬉しいですね。陸上の醍醐味は、「自分との戦いに勝利すること」だと思っています。
競技中はどのようなことを考えていますか?
最近はフォームのことを意識して考えていることが多いですね。時計の歯車のように、1つの動きが全体に連動していくような理想的なフォームを目指しています。しかし、レースが進むにつれて疲労も出てくるのでフォームが崩れやすくなるだけに、そこからは技術だけでなく精神力での戦いになります。
試合前や、前日のルーティーン(ゲン担ぎ、習慣)はありますか?
特別な勝負飯のようなものは決めていないのですが、最近はオニオングラタンスープが好きで、よく飲んでいます。フリーズドライを海外遠征にも持って行くようにしていますが、必ずしも毎回飲むというわけではありません。食べ物はなるべく好きなものを食べたり、飲んだりするようにしています。
レース前にメンタルやモチベーションをどのように維持していますか?
食べ物で気分が変わることはありますね。たとえば、予選でのタイムにとても落ち込んでいたとしても、決勝の朝にパンケーキを食べたら不思議と気持ちが前向きになることもありました(笑)。「ああ、美味しい!」という気持ちから自然と笑顔になれて、パンケーキを食べたことがきっかけで、自分への安心感につながった経験もあります。
読書や美術館巡り、工作など多彩な趣味を持つ田中。見つめる視線の先にはどんな景色が映っているのか
写真 落合直哉
【プライベート編】
読書好きで知られていますが、本を読むことが好きな理由を教えてください。また、最近読んだおすすめの本はありますか?
読書をしていると心が落ち着きます。本の世界に入り込むことで気持ちをリセットできるというか。紙の質感や匂いも含めて、本そのものも好きですね。読書タイムは心が穏やかになる大切なひとときです。最近は、『銀河鉄道の父』という本を読みました。宮沢賢治さんのお父さん目線で書かれた小説です。飛行機で映画を見たのがきっかけで興味を持ちました。とても印象に残る作品です。
お家の本棚の様子も教えていただけますか?
まだ読めていない本も多くありますが、お気に入りの本はきちんと本棚に並べています。紙の質感や香りが好きで、背表紙を見るだけでも気持ちが上がりますね。インテリアとしての役割も果たしてくれています。
趣味については、他に何かありますか?
最近はあまりできていないのですが、以前は工作が好きで、ミニチュアを集めたり作ったりすることを楽しんでいました。ドールハウスの小さな家具や、人形用の小物類など、すべてが魅力的です。もし時間に余裕があれば、また作りたいと思っています。
休日の過ごし方を教えてください。
時間に余裕がある日は、美術館に行って好きな展覧会を見ることもあります。ただ、何も予定がない日は家でゆっくりと過ごすことが多いですね。
食べ物の好みについて教えてください。
和食より洋食、特にイタリアンが好きです。パスタやピザはもちろん、前菜もすべて美味しくて。イタリアに行った時は、本場のレバーパテやトリッパ(モツの煮込み)なども楽しみました。スイーツではシュークリームが特に大好きですね。
たくさんの質問に答えていただき、ありがとうございました!最後に、今後の目標についてお聞かせください。
2024年にパリで行われた世界の大舞台では1500m、5000mの両種目とも決勝に残れなかったので、今後は単なる決勝進出という目標だけでは不十分だと感じています。本当の意味で世界のトップ選手とラストまで競り合える選手になりたいです。今は世界との勝負にまだ怖さを感じる部分がありますが、同じレベルで戦える実力をつけ、その勝負を楽しめる選手になることを目標に掲げています。
そして、東京2025世界陸上は、新たにTeam Seikoの一員として臨む大きな舞台となります。同大会ではアスリートアンバサダーに就任しましたが、その役割を全うすることに加え、選手として本当の意味で大会を戦い抜き、東京2025世界陸上の”登場人物”として記憶に残る活躍をしたいと思います。
