新型コロナウイルス禍後、外国人労働者を雇用するケースが再び増えていることから、厚生労働省は、雇用企業の労務担当者向けの講習を始めた。関係する制度や法令への理解不足、言葉の壁で起こるトラブルは後を絶たず、専門家が雇用上のルールや文化の違い、外国人労働者に必要な配慮について具体的な事例を交えて紹介している。(福永正樹) 昨年10月時点で、国内の外国人労働者は204万8675人、前年同期比12・4%増と過去最多を更新。雇用する事業所も31万8775か所で同6・7%増だった。 厚労省は指針で、外国人を10人以上雇用する企業に管理職から「雇用労務責任者」の選任を求めているが、罰則はなく、設けていない企業は多いとみられる。同省は外国人労働者に関する制度への理解を深めてもらい、トラブルを減らそうと、3月から東京や大阪など7都道府県で講習会を開いている。
外国人を雇用する企業の担当者向けに行われた講習(3月、大阪市福島区で)=長沖真未撮影 大阪市内で3月下旬に開かれた講習には、関西の企業の人事担当者ら約20人が参加。外国人の雇用や労務管理に詳しい行政書士が、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の労働者は店舗や工場など現場での単純労働に従事させられないこと、留学生は卒業するとアルバイトができないことなどを紹介した。
また、日本では未消化の有給休暇を買い上げる義務はないが、賃金で清算できる国もあるため、事前に説明していないとトラブルになる恐れがある、と説明した。目的や期限を明確に指示することの大切さや、旧正月など出身国の祝日のほか、食事や礼拝、断食月といった宗教上の慣習への理解も重要だと話した。 一方、安全確保の必要性についても指摘。外国人労働者の労災発生率は1000人当たり2・64人で、日本人を含む全労働者の2・32人を上回る。特に技能実習生は3・79人に達し、言葉の問題などで職場の危険性を十分に伝えられていないケースもあるという。 参加した神戸市のサービス会社の男性(61)は「人手不足で外国人雇用は待ったなしだが、思っていた以上に制度が複雑で驚いた」とし、京都市のコンサルティング会社の男性(52)も「生活習慣や宗教の違いへの配慮も大切と分かり、勉強になった」と話していた。 講習会は事前予約制で先着40人。問い合わせは講習事務局(03・4446・2086)。厚労省は、7月から22都道府県に拡大し、来年度はオンラインを含め、全都道府県で受講できるようにするという。
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