選挙の投票立会人のなり手を確保するため、鳥取県が打ち出した「オンライン立ち会い」が、6月の県内の選挙で導入されることが決まった。全国初の取り組みで、総務省も一定の条件の下での実施を容認しており、9日、県などがリハーサルを行った。投票所の減少に歯止めをかける目的もあり、他の地域にも広がるか注目される。(鳥取支局 中島高幸、山内浩平) 投票立会人は公職選挙法に基づき、市町村の選挙管理委員会が、有権者の中から投票所ごとに最低2人を選ぶ。投票用紙の交付や投票箱の閉鎖などの手続きが公正に行われるかを確認するのが役割で、報酬は1万円前後だが、2人の選任すら難しいところが少なくなく、各地の投票所の統廃合が進んでいる。
オンライン立ち会いが導入されるのは、6月9日に投開票される同県
智頭(ちづ)
町の町長選と町議補選(欠員2)。智頭町選管は、期日前投票の移動投票車と投票当日の投票所7か所のうち1か所を対象にする。
リハーサルで、投票の様子を画面越しに確認する立会人役の町選管職員(右)(9日、鳥取県智頭町役場で) この日のリハーサルでは、移動投票車内にカメラを設置。約10キロ離れた智頭町役場の会議室で、立会人役の町選管職員(36)がモニター画面で模擬投票の様子を見守った。トラブルが起きた場合、移動投票車内にいる別の立会人役と対応を協議する手順も確認。通信の不具合に備え、復旧にあたる県デジタル改革課の職員も付き添った。職員は「声も鮮明に聞こえ、やり取りに問題はなかった」と話した。
◇ オンライン立ち会いは、有識者による鳥取県の研究会の提言を受け、県が今年2月に導入を目指すと発表した。投票立会人にとっての利便性を高めることでなり手を確保し、投票所が減る事態を防ぐ狙いがある。
総務省選挙課は当初、投票立会人は「現に立ち会うことを想定している」としてオンライン化に慎重だったが、立会人の業務に支障が出ないなら問題はないと判断し、4月26日に県選管に通知した。守るべきルールとして、「立会人のうち1人は投票所で立ち会う」「市町村の庁舎内会議室など、誰にも干渉されない場所で立ち会う」など6項目を挙げた。 鳥取県内の投票所の数は2004年参院選の570か所から、昨年4月の知事選、県議選では359か所まで減った。県が12年以降に投票所を統廃合した5市町に理由を尋ねたところ、4市町が立会人の確保の難しさを最大の理由に挙げた。 リハーサルを見学した南部町の担当者は「自宅から離れた投票所での立ち会いを依頼すると、難色を示す人もいた。近くでオンライン立ち会いができるなら、引き受けてくれる人が増える可能性はある」と話した。 平井伸治知事は記者団に対し、「国ともずいぶん協議したが、地域の挑戦を認めてもらう形になった。全国の1番バッターとして成功させ、投票しやすい環境を作りたい」と述べた。高齢化で投票所減
人口減少や高齢化が進む中、投票所の減少は全国的な課題だ。 参院選でみると22年に全国の投票所は4万6016か所あったが、04年の5万3290か所と比べると7000か所以上減った。
秋田県
鹿角(かづの)
市では、19年参院選で46か所あった投票所を22年に6か所に減らした。立会人が見つからないのが主な理由という。市選管の担当者は「オンライン化の効果を見て、選択肢の一つにしたい」と話した。
鳥取県の研究会で副座長を務めた東北大の河村和徳准教授(政治学)の話「投票立ち会いのオンライン化は、有権者の投票権を保障するためのものだという認識を深める必要がある。人口が全国最少の鳥取県でうまくいけば、他の自治体にも導入の動機づけになるはずで、技術面などの不安を
払拭(ふっしょく)
してほしい」
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