成田空港(千葉県成田市)の国際航空貨物の取扱量が急減している。輸出入を合わせた2023年の総取扱量は187万トンで、東日本大震災があった11年(190万トン)をも下回る。世界的な不況になったリーマン・ショック後の09年(181万トン)にも近づく数字に、危機感を持つ関係者も多い。現状と打開策を探る。(竹田淳一郎)世界5位どまり 成田国際空港会社(NAA)によると、成田の貨物取扱量はコロナ禍特需もあった21年に開港以来最高の259万トンに達した。その後は急落傾向で、23年は187万トンだった。
航空機に積み込まれる貨物(2月、成田空港で) 成田の国際的な地位も低下している。国際空港評議会(ACI)による空港ランキング(国際航空貨物取扱量)では、1989年に世界一を誇ったが、22年は5位にとどまる。
取扱量で成田を上回るのが香港(中国)、仁川(韓国)、上海浦東(中国)、桃園(台湾)の東アジアの主要空港だ。NAAは、出発地から目的地に向かうまでに第三国を経由する「中継貨物」(トランジット貨物)の取扱率で差をつけられ、明暗を分けたと分析する。貨物全体に占めるトランジット貨物の割合(トランジット率)をみると、成田の35・2%に対し、仁川は47・4%。桃園は50・9%を占める。 「(出発地から目的地への)直送貨物が少なくなると、空きスペースを埋めるためにトランジット貨物を受け入れる。これが成田の傾向だった」。NAA貨物営業部の奈良原禎和次長は、成田ではトランジット貨物の優先度が低かったと説明する。 そのうえで奈良原次長は、「仁川と桃園はトランジット貨物の需要を柔軟に取り入れてきた」と成田との違いを分析。「直送貨物が多いか少ないかに左右されず、貨物取扱量を維持している」と語る。「ハブ化」の課題 NAAは4月12日の「新しい成田空港」構想検討会で、目指す姿として「東アジアの貨物ハブ」を掲げた。アジアと北米などを結ぶ貨物路線の中継拠点になることを意味しており、実現に向けた機能強化案を示した。 1 2
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