吉田羊さんは、3月まで放送されていたドラマ「不適切にもほどがある!」で、令和から昭和にタイムスリップした社会学者を演じ、話題となったばかり。今度は、シェークスピアの名作を舞台にした「ハムレット Q1」で、主役のデンマーク王子、ハムレットを演じる。(読売中高生新聞5月3日号掲載、購読は
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)
王である父を殺し、王妃の母と結婚した
叔父(おじ)
への
復讐(ふくしゅう)
に燃えるハムレットの物語。「四大悲劇」に数えられる作品だが、一生懸命だからこそ生まれる人間のおかしさを表現したいと語る。
吉田羊さん
「セリフも美しく世間一般では『イケメン』なイメージだが、ものすごく人間らしくて
不格好(ぶかっこう)
。
襲(おそ)
いかかる不当な仕打ちに壊れそうになるぶざまさを演じたい」。女性が男性を演じ、悲劇でおかしさを表現する――。どんな舞台になるのか、注目だ。
自分らしくいられたのは… 「勉強嫌いで、自己表現の言葉も持たなかった」。10代の頃の自分を、そう表現する。 最も自分らしくいられたのは、自分ではない誰かを演じている時だった。「中学1年までおままごとがやめられなかった。自分でない何者かになるのが楽しかったんです」と振り返る。 大学時代に本格的に演劇を始め、小劇場を中心に活動していたが、十数年前からはテレビや映画にも進出。コミカルなキャラクターもシリアスな役柄も演じ分け、俳優として評価を確立した。
自分ではなく、誰かのために演じたい。いつしか抱くようになったその思いを実現したのは、コロナ
禍(か)
真っただ中の2020年5月だ。
「俳優ならではのやり方で元気を届けたい」と、別々の場所にいる俳優2人の演技を撮影し、連続ドラマを作ることを周囲に提案。元夫婦が電話をきっかけに再び交流するドラマ「2020年 五月の恋」の制作を実現させた。「お芝居を見ている1~2時間、その人の心を軽くできる」。長年の舞台経験で得た、確かな手応えが原動力になっていた。
舞台にテレビに、活躍の場を
縦横無尽(じゅうおうむじん)
に行き来する今。ただただ演じることが好きだった少女は、時を
経(へ)
てものびのびと輝き、多くの人に活力を与えている。
(文・武田裕芸 写真・須藤菜々子)プロフィル
よしだ・よう 2月3日生まれ。福岡県出身。主な出演作にテレビドラマ、映画「HERO」、NHK大河ドラマ「真田丸」「光る君へ」などがある。舞台では2021年、「ジュリアス・シーザー」で主人公ブルータスを演じ、
紀伊国屋(きのくにや)
演劇賞個人賞を受賞した。「ハムレット Q1」は5月11日~6月2日、東京のPARCO劇場で上演。その後、大阪、愛知、福岡でも上演される。
![[舞台] 吉田羊が中1まで「おままごと」をやめられなかったワケ、「不格好なハムレット」を通じて表現する人間味 [舞台] 吉田羊が中1まで「おままごと」をやめられなかったワケ、「不格好なハムレット」を通じて表現する人間味](https://www.walknews.com/wp-content/uploads/2024/05/1714703057_20240502-OYT1I50036-1-1024x576.jpg)