民間有識者らでつくる「人口戦略会議」が24日に公表した報告書で、大阪府内の自治体の3割近くの12市町村が「消滅可能性自治体」に挙げられた。3市1町が新たに加えられた一方、脱却した自治体もあった。出生率が低く、他地域からの流入が多い大阪市は「ブラックホール型」と指摘。人を呼び込むだけでなく、出生率を上げて自然増につなげる取り組みが改めて求められた。大阪府内の「消滅可能性自治体」12自治体大阪府内の「消滅可能性自治体」12自治体 報告書は、出産の中心世代である20~39歳の若年女性人口について、2020~50年の減少率を推計。減少率が50%以上の自治体を「最終的には消滅する可能性が高い」とした。

 今回の報告書で門真、泉南、阪南市と太子町が消滅可能性自治体に加えられた。 門真市の減少率は51・3%と、10年前の有識者会議「日本創成会議」が公表した数値より10・0ポイント上昇した。 高度経済成長期にベッドタウンとして人口が増加した同市では、その後急速に高齢化が進んだ。市企画課は「想定はしていたが、厳しい現実」と受け止める。 市は、再開発の停滞が少子高齢化が進んだ要因の一つとみる。だが、市内では近年、大型商業施設が開業し、タワーマンションの開発が相次ぐ。子育て世帯の転入も増え、昨年度は若年女性人口が91人の転入超過となった。 担当者は「街づくりが子育て世代を呼び込む力になる。消滅可能性自治体からの脱却を目指す」と話す。 泉南市でも、子育て支援を強化する中で消滅可能性自治体とされたことに落胆が広がった。 市は昨年4月、子どもの医療費助成の対象の上限を15歳から18歳に引き上げたばかり。1歳と4歳の父で、子育て支援を掲げて22年5月に就任した山本優真市長(33)は「簡単に若い世代が増えるとは思わない。子育て世代の視点から、限られた財源で施策を整え、さらに市の特色をどう出すかが大事だ」と語った。 消滅可能性自治体のうち、「特に深刻」とされる23自治体の一つに、府内で豊能町が挙げられた。 人口は1995年の約2万6600人をピークに、今年3月末で1万8067人に減った。歯止めをかけようと町は今年度、府外から移住する40歳未満の若者に5万円を給付する制度を始める予定だ。ただ、見通しは厳しく、担当者は「人口減で税収が減ると対策も打てなくなる」と話した。 門真市と隣接する寝屋川市は消滅可能性から脱却した。減少率は35・3%で15・7ポイント改善した。 市は近年、保育士の確保など子育て世帯を意識した施策に取り組んできた。担当者は「施策の効果が出た」としつつ、「若年女性が減る予想に変わりはない。様々な対策を講じなければ」と気を引き締める。 ブラックホール型とされた大阪市は、転入者が転出者を上回る社会増の数が、総務省の住民基本台帳に基づく人口動態調査(昨年1月1日現在)において、全国の市区町村でトップだ。 市は保育料の無償化や塾代の費用助成などで、将来世代への投資に力を入れてきた。街づくりの面でも、梅田の再開発区域「うめきた2期」を始め、各地で整備が進んでいる。 横山英幸市長は25日の定例記者会見で、魅力的な街づくりが社会増につながっていると分析した上で、「出生数が伸びていないのは大変な問題。魔法の杖はなく、できることを全てやる」と述べた。

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