米調査研究機関が試算した日本人の睡眠不足による経済損失は年間15兆円――。人工知能(AI)を活用し、脳波の動きを解析する腕時計型の検査装置を開発したアクセルスターズ(福岡県久留米市)は、体の不調が経済活動に大きな影響を及ぼす点に商機を見いだし、事業拡大に挑んでいる。

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スリープコンパスの事業拡大を図るアクセルスターズの宮原CEOスリープコンパスの事業拡大を図るアクセルスターズの宮原CEO 睡眠を研究する上田泰己・東大教授(48)が2020年8月に創業した。上田さんは当時、一人ひとりの睡眠の実態を解明する「睡眠健診」を普及させることで健康増進社会に役立つことができると考えており、出身高校がある久留米市からの打診もあって同市に本社を置いた。

 会社を設立後、リクルート出身で睡眠ビジネスの知見を持つ宮原禎さん(42)と知人を介して知り合い、腕時計型装置でAIが脳波の動きを解析する仕組みを確立。「スリープコンパス」と名付け、昨年5月、健康保険組合や企業などにサービスを始めた。 就寝時にスリープコンパスを着けると、「睡眠」状態か、脳が起きている「覚醒」かをAIが30秒ごとに判断。1週間の結果に基づき、専門医の受診などを推奨する。医療機関や研究法人でも採用されるようになり、利用者は70団体で月200人に上る。 今後は国内で顧客を拡大しつつ、海外市場も狙う。最高経営責任者(CEO)を務める宮原さんは「睡眠の質の向上で様々な病気を予防し、働きやすさの実現による経済発展にも寄与したい」と話す。

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