藤原さくらさんの深みのある低い歌声は「スモーキー」と評され、一度聴いたら忘れられない唯一無二の魅力を持つ。

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 10歳で初めてギターに触れ、高校時代から曲作りをスタート――という経歴を聞けば、音楽漬けの青春を送ったように思うかもしれない。しかし、中学時代は部活で陸上競技に打ち込む日々だったという。「しんどくて泣きながら走るくらい嫌だったんですけど、振り返ると、本気で頑張る時間って大事だったなって思いますね」と語る。藤原さくらさん藤原さくらさん
 高校時代には地元・福岡のカフェやレストランなどでライブをしながら曲作りを続け、在学中の2014年にCDデビューした。16年にはフジテレビ系の「月9」ドラマでヒロインに抜てきされ、
吃音(きつおん)
に苦しむ女性という難役を演じた。

 シンガー・ソングライターとしては「駆け出し」で、演技経験もない中挑んだ俳優の仕事。だが、
真摯(しんし)
に演じる姿は多くの人の心をつかみ、歌とともに広く知られるきっかけになった。
歌も演技も 歌も演技も全力で――。その姿勢は、デビューから約10年がたっても変わらない。 昨年は5月にアルバム「AIRPORT」を発表すると、7~9月には日本テレビ系ドラマ「こっち向いてよ向井くん」に出演。10月には4週連続のワンマンライブを成功させた。 そして今月、待望の5枚目のフルアルバムをリリースした。タイトルは「wood mood」。収録された10曲を順に聴くと、暗い森を抜けていくような感覚が味わえる構成になっているという。 「戦争とか円安とか、これから私たちどうなっていくのかなって感じることが多くて。少しでも希望の光を見つけたいっていう感覚で曲を書きました」
 曲作りへの情熱はとどまることを知らない。最近はモンゴルの伝統楽器「
馬頭琴(ばとうきん)
」の練習に熱中しているといい、「馬頭琴で曲を作ったり、海外で曲を書いてみたりしたいですね」と目を輝かせる。

 挑戦を続けた先にいつも、自分の新たな魅力を見つけてきた。これからも、まだ見ぬ景色を追い続ける。(読売中高生新聞4月19日号掲載、購読は
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(文・鈴木経史 写真・木田諒一朗)プロフィル
 
ふじわら・さくら
 1995年12月30日生まれ。福岡県出身。2014年にCDデビュー。16年にフジテレビ系ドラマ「ラヴソング」でヒロイン役を演じ、注目を集める。interfmで、自身がDJを務めるレギュラー番組「HERE COMES THE MOON」(日曜深夜12時)が放送中。今月14日からは、全国5都市をめぐるツアーがスタートした。

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