山口DCの秋冬、萩・長門は12月に単価の山 — 会期中の土曜は45日前に推定OCC75.4%

山口県とJRグループによる「山口デスティネーションキャンペーン(山口DC)」が2026年10月1日に開幕し、会期は12月31日まで続く。同じ秋冬でも県内の市によって宿泊単価の山の位置は違い、前年(プレDC期間の2025年10〜12月)の推定成約ADRでは萩市と長門市が12月に向けて単価を上げたのに対し、下関市と岩国市は11月が山、山口市はほぼ横ばいだった。本稿では、この「市ごとの秋冬の型」を前年実績で整理したうえで、会期中の土曜がリードタイム(LT)45日以内にどう埋まったかを9月の通常土曜と同じLTで比べ、2027年10〜12月のアフターDCまでを見据えた販売の余地を読み解く。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)

※本記事の推定OCCとブッキングカーブは、総客室の30%以上をOTAに掲載する施設で構成した固定の対象施設群(主要予約サイト掲載ベース)で算出している。LT(リードタイム)=宿泊日までの日数。本稿ではLT45〜LT1のみを用い、宿泊日当日(LT0)と45日超の観測は使わない。

Key Takeaways

— 前年(プレDC期の2025年10〜12月)の推定成約ADRは市で型が分かれた。萩市は12月が10月比+49.1%、長門市も+42.8%の「12月型」、下関市・岩国市は11月が山、山口市はほぼ横ばい。
— 会期中の2026年10月24日(土)は45日前に推定OCC75.4%と、9月の通常土曜(55.5%・57.6%)を上回った。一方で10月3日は9月並みで、会期中でも日ごとの差が大きい。
— 旅館が先に埋まり、11月21日の旅館はLT30で98.5%(ビジネス85.5%)。45日前とLT14の進捗を9月の通常土曜と同じLTで比べる運用は、2027年のアフターDCの販売計画にも使える。

山口DCの会期と主な企画 — 5市それぞれに公式プログラムがある

山口県観光連盟の公式サイト「おいでませ山口へ」によると、山口DCの本番は2026年10月1日〜12月31日で、キャッチコピーは「『万福の旅』 おいでませ ふくの国、山口」である。前年の2025年10月1日〜12月31日にはプレキャンペーンが実施されており(同サイトのお知らせ)、2027年10〜12月にはアフターキャンペーンが予定されている。つまり県内の宿泊施設にとっては、プレ・本番・アフターの3年にわたって同じ10〜12月が販促の舞台になる構図だ。

公式サイトに掲載された主な企画を見ると、本稿で扱う5市のそれぞれに目玉となるプログラムが置かれている。山口市では国宝瑠璃光寺五重塔の御開帳・特別拝観、岩国市では「橋守」が案内する錦帯橋の限定ガイドツアーが用意された。下関市ではDC期間に合わせてオープントップバス(角島ライン・関門海峡ライン)が運行され、萩市ではTVアニメ「銀魂」とのコラボ企画、長門市では長門湯本温泉の「恩湯」を使ったプレミアム湯治プランが紹介されている。加えて、2026年7月31日から予約受付を始めた期間限定の「万福の旅 宿泊プラン」が10月以降の宿泊を対象としている。

鉄道側の動きも確認しておきたい。JR西日本と津和野町が2026年9月18日に公表した資料では、山口線で試運転を続けてきたC57 1号機が10月からのSLやまぐち号の運行を担う形が示され、D51 200号機と並ぶ2機の体制を象徴する新ポスターも紹介された。また観光列車「はなあかり」は、JR西日本の案内ページで秋(10〜12月)に新山口〜岩国間(山陽本線経由)を走る設定が案内されている。個々の運転日は各社の発表で確認されたい。

前年10〜12月の推定成約ADR — 萩・長門は12月が山、下関・岩国は11月が山

まずはプレDC期間だった2025年10〜12月の推定成約ADR(確定月の実績ベース)を5市で並べる。最も目立つのは萩市で、10月の約11,200円から11月に約14,000円、12月に約16,700円まで上がり、12月は10月比+49.1%に達した。長門市も同じ型で、10月の約8,700円から12月の約12,400円へと+42.8%伸びている。両市とも12月が秋冬の山だったわけだ。長門市は年明けの2026年1月も約14,200円と、12月からさらに上がっている。

一方で下関市は11月に約11,000円と山をつくり、12月は約9,800円と10月並みに戻った。岩国市も11月が約6,700円で10月比+12.2%と高く、12月は10月を3.4%下回っている。山口市は9〜12月が約8,100〜8,400円の範囲に収まり、月による振れがほとんどない。同じ県内でも、単価が上がる月が「12月型」「11月型」「横ばい型」の3つに分かれていたといえる。

表1 県内5市の推定成約ADR(2025年9〜12月・確定月の実績)市2025年9月10月11月12月12月/10月N(施設)萩市¥11,824¥11,208¥14,025¥16,716+49.1%18長門市¥8,955¥8,694¥10,754¥12,418+42.8%24〜25下関市¥8,794¥9,856¥10,976¥9,751-1.1%38〜39山口市¥8,438¥8,145¥8,353¥8,266+1.5%28〜29岩国市¥5,808¥6,000¥6,734¥5,796-3.4%15

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

※N=推定成約ADRの算出対象施設数(月によって異なるため幅で表記)。太字は各市の10〜12月で最も高い月。

図1 県内5市の推定成約ADR指数(2025年10月=100、2025年9月〜2026年1月)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

ただし、この型が毎年同じとは限らない。2024年の同じ月と比べると、萩市の12月は前年比+55.8%、長門市の12月は+29.6%と大きく伸びており、2024年はむしろ両市とも10〜12月のうち12月が最も低かった。下関市は2024年も11月が山で、10〜12月の各月が前年比+16〜25%と底上げされている。どの要因が効いたかはこのデータだけでは断定できないが、「萩・長門の12月の山」はプレDC期間の2025年に表れた形であり、本番の2026年にも再現するかは今後の確定値で確かめる必要がある。

表2 前年同月比(2025年10〜12月 vs 2024年)と直近の確定月(2026年9月)市10月 前年比11月 前年比12月 前年比2026年9月9月 前年比萩市+0.9%+23.4%+55.8%¥11,815-0.1%長門市-21.3%-4.6%+29.6%¥10,467+16.9%下関市+25.3%+17.1%+16.1%¥9,195+4.6%山口市-2.8%-9.0%+7.4%¥8,108-3.9%岩国市+0.1%+18.6%+6.4%¥6,190+6.6%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

直近の確定月である2026年9月を見ると、長門市が前年同月比+16.9%、岩国市が+6.6%、下関市が+4.6%と伸び、萩市(−0.1%)と山口市(−3.9%)は前年並みからやや下だった。県全体の推定成約ADRは約7,600円(N=198施設)で前年同月比+2.6%である。9月は2026年が5連休(9月19〜23日)、2025年が3連休1回(9月13〜15日)という暦の違いを含む点には注意したい。会期前の9月時点で、県内の単価はすでに市ごとに異なる動きをしていたことになる。

会期中の10〜12月は「現時点の見込み値」 — 型は前年と同じ方向

2026年10〜12月はまだ確定していないため、推定成約ADRは調査時点の掲載水準から算出した見込み値になる。見込み値は確定月の実績と算出の土台が異なり、どの市でも確定月より高めに出やすいので、前年の実績と直接比べて「前年比+○%」と読むことはできない。ここでは見込み値どうしの月の並び、つまり10月から12月にかけての傾きだけを見る。

傾きで比べると、前年の型はおおむね維持されている。萩市は10月から12月にかけて+16.3%、長門市は+11.5%と、12月に向けて上がる並びになった。下関市は+5.0%と小幅、山口市は−6.7%、岩国市は−12.3%と、12月に向けて下がる並びである。萩・長門の「12月型」が見込み値の段階でも表れている点は、会期後半の値付けを考えるうえで参考になるだろう。

表3 2026年10〜12月の推定成約ADR(現時点の見込み値・前年実績とは比較しない)市2026年10月11月12月12月/10月N(施設)萩市¥14,728¥16,195¥17,123+16.3%17長門市¥12,001¥12,175¥13,379+11.5%23〜25下関市¥11,146¥11,648¥11,699+5.0%41〜42山口市¥11,405¥11,248¥10,644-6.7%29岩国市¥9,867¥9,167¥8,658-12.3%15

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

※2026年10〜12月は調査時点(2026年10月25日)にOTAへ掲載されている販売価格をもとにした推定であり、宿泊日が近づくにつれて変動する。確定月の実績(表1・表2)と算出の土台が異なるため、両者の差を前年比として読まないこと。

会期中の2026年10月24日は45日前に推定OCC75.4% — 9月の通常土曜は55〜58%

次に、会期中の土曜がどのように埋まったかをブッキングカーブで確認する。比べる相手は9月の通常土曜(9月12日・26日)で、5連休にかかる9月19日は除いた。対象は山口県の固定の対象施設群で、宿泊日により126〜139施設/客室6,652〜7,098室(主要予約サイト掲載ベース)である。

宿泊日の45日前(LT45)の時点で比べると、9月の通常土曜は推定OCCが55.5%(9/12)と57.6%(9/26)だった。これに対し会期中の10月17日は64.7%、10月24日は75.4%で、45日前の段階から9月を7〜20pt上回っていた。前日(LT1)の着地は10月17日・24日とも92.0%で、9月の2日(85.4%・81.3%)より高い。とりわけ10月24日はLT14の時点で91.2%に達し、そこから前日まではほぼ横ばいだった。早い段階で埋まり切った土曜だったといえる。

ただし、会期中の土曜がすべて高かったわけではない。開幕直後の10月3日はLT45で57.3%、LT1で85.6%と、9月の通常土曜とほぼ同じ水準にとどまっている。3連休初日の10月10日は45日前に69.3%、前日に97.7%まで埋まったが、これは祝日の並びの影響も大きい。会期に入ったことだけで土曜が一律に押し上がるのではなく、日ごとの差が大きい点を押さえておきたい。

図2 山口県の土曜ブッキングカーブ(推定OCC、LT45→LT1)

対象:126〜139施設/客室6,652〜7,098室(主要予約サイト掲載ベース)。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

11月以降の土曜は、10月25日観測分までの途中経過である。11月7日はLT13時点で83.7%、紅葉シーズンの3連休初日にあたる11月21日はLT27時点で91.2%(LT30では89.0%)となっており、同じLT30で比べると9月の通常土曜(63.6〜65.1%)を大きく上回る。3連休の中日11月22日(LT30で80.3%)と祝日当日の11月23日(同58.5%)を合わせて見ると、連休の最初の夜に需要が集中する並びもはっきり出ている。なお10月31日は下関海響マラソンの前夜にあたり、下関の個別分析で詳しく扱っている。

表4 土曜(と11月3連休)の推定OCC — 同じLTでの比較宿泊日区分LT45LT30LT21LT14LT7LT1対象9/12(土)9月の通常土曜55.5%65.1%68.1%71.8%75.5%85.4%134施設/6,652室9/26(土)9月の通常土曜57.6%63.6%68.1%70.6%74.4%81.3%138施設/7,098室10/3(土)会期初週57.3%65.5%69.2%72.6%76.8%85.6%126施設/6,783室10/10(土)3連休初日69.3%79.9%83.5%85.8%91.2%97.7%129施設/6,761室10/17(土)64.7%74.3%77.2%80.9%84.5%92.0%134施設/6,963室10/24(土)75.4%83.8%88.0%91.2%91.8%92.0%134施設/6,963室10/31(土)途中経過(LT6まで)76.2%81.5%84.1%87.1%89.4%—134施設/6,963室11/7(土)途中経過(LT13まで)70.2%76.8%78.0%83.3%——134施設/6,963室11/14(土)途中経過(LT20まで)68.5%77.1%83.0%———133施設/6,962室11/21(土)3連休初日・途中経過(LT27まで)79.7%89.0%————134施設/6,963室11/22(日)3連休中日・途中経過(LT28まで)69.8%80.3%————139施設/6,970室11/23(月)祝日・途中経過(LT29まで)52.3%58.5%————139施設/6,970室11/28(土)途中経過(LT34まで)68.7%—————139施設/6,970室

対象:宿泊日ごとの固定の対象施設群(主要予約サイト掲載ベース)。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

※網掛けは比較対象とした9月の通常土曜。「途中経過」は2026年10月25日観測分までで、表中の最終LT以降は未観測(—)。推定OCCはOTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なる。

業態別では旅館が先に埋まる — 11月21日は30日前に98.5%

同じ土曜を旅館とビジネスホテルに分けると、埋まるタイミングの違いが見えてくる。10月24日の旅館は45日前の時点で87.1%に達していたのに対し、ビジネスホテルは73.7%で、前日にはどちらも93%台に並んだ。旅館が早い段階で枠を消化し、ビジネスホテルが直前にかけて追いつく構図である。11月21日の旅館はLT30で98.5%とほぼ埋まっており、同じ時点のビジネスホテル(85.5%)とは13.0ptの差がある。

表5 旅館とビジネスホテルの土曜の推定OCC(同じLTでの比較)宿泊日業態LT45LT30LT14LT1対象9/12(土)旅館62.4%67.7%78.0%91.6%50施設/1,589室9/12(土)ビジネス52.8%65.4%70.4%82.6%39施設/4,002室9/26(土)旅館64.7%71.6%76.4%85.2%50施設/1,580室9/26(土)ビジネス57.5%63.0%70.2%80.3%43施設/4,421室10/17(土)旅館76.0%81.9%87.5%95.1%49施設/1,581室10/17(土)ビジネス63.1%73.7%80.7%91.8%43施設/4,352室10/24(土)旅館87.1%89.4%93.5%93.2%49施設/1,581室10/24(土)ビジネス73.7%83.5%92.2%93.9%43施設/4,352室11/7(土)旅館78.2%84.8%89.8%—49施設/1,581室11/7(土)ビジネス68.8%75.1%82.9%—43施設/4,352室11/21(土)旅館96.6%98.5%——49施設/1,581室11/21(土)ビジネス73.3%85.5%——43施設/4,352室

対象:旅館 49〜50施設/客室1,580〜1,589室、ビジネス 39〜43施設/客室4,002〜4,421室(主要予約サイト掲載ベース)。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

月単位の推定OCCでも同じ傾向が確認できる。10月1〜26日の宿泊分では、旅館が88.8%、ビジネスホテルが86.8%、リゾートが78.4%で、県全体は86.5%だった。9月(全体82.0%、旅館86.3%、ビジネス81.4%)と比べるとどの業態も上がっているが、対象施設数が月によって異なり、9月には5連休も含まれるため、差は目安として見るのが適切だろう。業態別の差の詳細は山口の5連休の分析も参照してほしい。

図3 業態別の推定OCC(2026年9月と10月1〜26日)

対象施設数は表6のとおり(主要予約サイト掲載ベース)。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

表6 業態別の推定OCC(月平均)業態2026年9月対象(9月)2026年10月1〜26日対象(10月)差全施設82.0%110施設/6,278室86.5%133施設/7,024室+4.5ptビジネス81.4%38施設/3,943室86.8%43施設/4,421室+5.4pt旅館86.3%41施設/1,296室88.8%48施設/1,562室+2.5ptリゾート74.3%13施設/633室78.4%12施設/613室+4.1pt

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

※対象施設数は月初時点の値で、日によって増減する。シティホテル・ラグジュアリーは対象施設が少ないため掲載していない。

アフターDC(2027年10〜12月)まで見据えた販売の余地

ここまでの結果を整理すると、県内の秋冬には市ごとに異なる単価の型があり、会期中の土曜は日によっては45日前から9月を大きく上回るペースで埋まっていた。本番の2026年に加えて2027年のアフターDCでも同じ10〜12月が販促の舞台になることを踏まえると、運営者には次のような余地があると考えられる。

1つ目は、市の型に合わせて値付けの山を置くことだ。前年の実績では萩・長門は12月、下関・岩国は11月に単価が上がっており、見込み値の段階でも萩・長門は12月に向けた傾きを保っている。12月型の市では12月の宿泊日について早めに段階的な値付けを用意し、11月型の市では11月の週末と連休に価格の段差をつくる、といった設計が有効といえる。山口市のように月の振れが小さい市では、瑠璃光寺五重塔の特別拝観のような会期中の企画日を起点に、日単位で価格を動かす余地がある。

2つ目は、45日前の進捗を判断の目安にすることだ。10月24日はLT45で75.4%、LT14で91.2%と早い段階で埋まり、前日まで横ばいだった。こうした日は直前の値下げを急がずに単価を保てる可能性がある一方、10月3日のように9月並みのペースだった日は、LT30前後での在庫の見直しや連泊・食事付きプランでの訴求に伸びしろがある。45日前とLT14の2点を、9月の通常土曜と同じLTで比べる運用は、アフターDCの販売計画にもそのまま使える。

3つ目は、業態ごとに埋まるタイミングの違いを販売の順序に生かすことだ。旅館が45日前から8割台後半まで埋まる日は、エリアの需要が早い段階で見えている日でもある。ビジネスホテルはそうした日の後半にかけて追いつく型なので、旅館の埋まり方を周辺の需要の先行指標として参照し、自館の値付けを早めに整える使い方が考えられる。食事付きプランの設計は山口のビジネスホテルの食事プレミアムが参考になるだろう。

最後に、2026年10〜12月が確定すれば、プレDC(2025年)と本番(2026年)の2年分の同月実績がそろう。萩・長門の12月の山が2年続けて表れるのか、下関・岩国の11月の山がどう動くのかを確定値で確かめることが、2027年のアフターDCの値付けの土台になる。県内の価格帯と市場の分かれ方は山口県ホテル投資マップ2026、開幕前の8月時点の見立ては山口DC2026の事前分析で扱っているので、あわせて参照されたい。

宿向け:このテーマに効くプラン名のヒント

山口県で公開されている、DC・秋に関連する語を含むプラン名(N=413)に多い訴求要素 ——

会席コース 28%海鮮 21%朝食付 18%2食付 15%和牛・ブランド牛 11%温泉露天 10%

実際の名前の例(匿名化):

【万福の旅】【1人旅&シングル】素泊りスタンダード★無料駐車場完備★温泉大浴場終日入浴可★【スペシャルウィーク】10%OFF|山口観光の拠点ホテル×オーシャンビュー温泉×秋懐石の贅沢旅【90日前★早割30%OFF】グランピングBBQ~秋吉の自然と星空に囲まれて山口県産和牛を満喫<2食付>

※公開プラン名の集計にもとづく傾向で、命名が販売を生む因果を示すものではありません。

⚠ 将来日程のADRに関する注意:本記事の2026年10〜12月の推定成約ADRは、調査時点でOTAに公開されている販売価格にもとづく見込み値であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。確定月の実績とは算出の土台が異なるため、前年同月と直接比較していません。11月以降の宿泊日のブッキングカーブは2026年10月25日観測分までの途中経過です。

関連記事

参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチが継続追跡するOTA公開価格・在庫データ。推定成約ADRは山口県の市区町村別(2024年10月〜2026年12月宿泊分、確定月は2026年9月まで)、推定OCC・ブッキングカーブは山口県の固定の対象施設群(2026年9〜11月宿泊分、2026年10月25日観測分まで)。会期・企画・列車の情報は山口県観光連盟とJR西日本の公表資料による。

■ 試算前提

推定成約ADRは各施設の最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり・税込)に業態別の補正係数を掛けた税抜相当の推定値で、市の値は対象施設の中央値。推定OCCは総客室の30%以上をOTAに掲載する施設群について、OTA販売在庫の消化状況から推計した値で、LT45〜LT1の観測のみを用いる。

■ 限界・留意点

2026年10〜12月の推定成約ADRは調査時点の掲載価格にもとづく見込み値で、確定月の実績とは算出の土台が異なるため前年比としては読めない。推定OCCは施設全体の実稼働率とは異なり、対象施設数は宿泊日・月によって増減する。前年からの単価の変化がDC・暦・イベントのどれによるかは、このデータだけでは切り分けられない。

■ 参考資料

Share.