課税開始を巡り与党内でも意見分かれる改正案は取引情報の初回交換年に連動

韓国の大統領府が、2027年1月に予定される暗号資産(仮想通貨)の所得課税について、4度目の延期を検討していると韓国経済新聞などの複数メディアが25日に報じた。

課税開始を巡り与党内でも意見分かれる

延期論の背景には、海外取引所の利用者の取引情報を集めにくいことがある。韓国経済新聞によると、大統領府は国内取引所の利用者に課税が偏ることを懸念しているという。

また、大統領府関係者は若年層の資産形成への配慮も延期を検討する理由として挙げた。金融当局の2026年上半期の調査では、暗号資産利用者口座のうち20代以下と30代が44.1%を占めている。

一方、聯合ニュースによると、大統領府は再延期に重きを置きながらも複数の案を検討しているという。与党内では制度の準備不足を理由に延期を求める意見と、さらなる延期は政策の一貫性を損なうという意見に分かれている。

韓国の暗号資産所得課税は、2020年の法改正で導入が決まった後、施行が3回延期されてきた。暗号資産の譲渡や貸付による年間所得から250万ウォン(約30万円)を控除し、残額に地方所得税を含め22%を課税する仕組みだ。

改正案は取引情報の初回交換年に連動

国会では、課税の延期や廃止を求める法案がすでに複数提出されている。共に民主党のパク・ミンギュ議員ら与党系の議員14人も16日、所得税法の改正案を提出した。

改正案は、課税開始日を現行の2027年1月1日から、韓国の国際租税調整法に基づく暗号資産取引情報の初回交換年の翌々年1月1日へ変更する内容となっている。交換後に課税資料を集め、確認するための期間を設ける狙いだ。

改正案が念頭に置くのは、経済協力開発機構(OECD)の暗号資産等報告枠組み(CARF)による情報交換だ。OECDが公表した主な国・地域の初回交換の目標時期は次の通りとなっている。

国・地域初回交換の目標時期韓国2027年まで日本2027年までシンガポール2028年まで香港2028年まで米国2029年までOECDの公表資料(2026年9月14日更新)をもとに作成

韓国が2027年に初回交換を始めれば、この案による課税開始は2029年1月1日となる。法案の提案理由には、世界最大の暗号資産市場である米国のCARF参加時期が2029年である点も挙げられている。

日本も韓国と同じく、2027年までの初回交換を目標とする。日本では、金融商品取引業者登録簿に登録された暗号資産を登録業者を通じて売った場合などの所得を、他の所得と分けて課税する改正税法が3月31日に公布された。

税率は所得税15%、住民税と合わせて20%。JinaCoinの暗号資産の規制トラッカーによると、施行は2028年1月1日となっている。

改正案は19日に国会の財政経済企画委員会に付託され、28日までの立法予告期間中だ。韓国経済新聞によると、大統領府は10月の国政監査後に与党と政府の協議で課税延期への最終的な立場を定める方針だという。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ウォン=0.12円)

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