移行する依存関係、技術開発に影響も

業界分析を専門とするカー・インダストリー・アナリシスの創設者フェリペ・ムニョス氏によると、中国の関与はロシアでの自動車販売にとどまらない。ロシア資本と中国自動車メーカーとの提携を通じて、技術や部品、現地組み立て用のキット形式の自動車を供給しているのだという。

「ロシア市場は今や完全に中国に依存しており、将来的にはその傾向がさらに顕著になるでしょう。合弁事業、輸入、現地生産、どのような形であれ、ロシアの自動車産業は徐々に中国の衛星となりつつあります」とムニョス氏は語る

ラーダ車を生産するアフトワズの工場ラーダ車を生産するアフトワズの工場

グローバルデータ社のクマール氏は、「生産拠点の現地化に努める一方で、ロシアはある依存関係から別の依存関係へと移行してしまった」と指摘する。

「日産、ルノー、フォルクスワーゲンから、チェリーやGWMへと移行したのです。しかし、欧米企業との提携によって得られていた研究開発の質の一部も失ってしまいました。もし中国の自動車メーカーが明日撤退したとしても、ロシアの自動車産業は生き残るでしょうが、現在の規模よりははるかに小さくなるでしょう」とクマール氏。

しかし、RUSIのヘッカー氏は次のように付け加える。「ロシアは中国に対して一定の技術的依存関係にあることに気づき、その依存度を減らそうとしてきました」

なぜラーダは生き残れるのか

2021年、戦争前のラーダの市場シェアは約22%だった。欧米系の親会社がロシアから撤退したにもかかわらず、そのシェアは25.6%に拡大しており、同社の『グランタ』(安価な小型セダン、ハッチバック、ステーションワゴン)は、過去7年間のうち6年間でベストセラーモデルとなっている。

ムニョス氏はこの結果にまったく驚いていない。「ラーダが生き残っているのは政府の支援があるからです。基本的に、それらのセグメントではラーダしか存在していません」

ラーダのブランドロゴラーダのブランドロゴ

ラーダが最安価のセグメントを占めていることも、市場シェアがこれ以上伸びていない理由の1つだとムニョス氏は言う。

「ラーダは以前より『ロシアらしさ』が増しましたが、だからといって品質が向上したわけではありません。他に選択肢がなく、最も安価だからこそ人気があるのです。しかし、収入が増えれば、人は自然と他のクルマを買うようになります」

正規輸入は絶望的 嘆く声も

メーカーのアフトワズは、部品の99.8%を現地調達していると主張している。この数字には疑問の声も上がっているが、クチコ氏はエンジンとトランスミッションについては「依然として真にロシア製」だと述べている。

英国の道路で新型ニーヴァを見たいと願うAUTOCARの読者たちは、がっかりすることになるだろう。国際的な制裁とは関係なく、ラーダはここ数年、安全基準や排出ガス規制の進展に追いつけていないため、英国では正式に販売されていないのだ。

ラーダ・ニーヴァラーダ・ニーヴァ

さらに、ヘッカー氏はこう語る。「現時点で、ロシアの自動車ブランドが西欧諸国や米国で人気を博すとは到底考えられません。西欧は現在、ロシアに対して断固とした制裁モードにあるからです」

冒頭の自動車販売店ブラムリー・モーター・カーズに話を戻すと、フェラーリやロールス・ロイスの隣に停められた黒のニーヴァ・ルクスは、依然として買い手を待っている状態だ。しかし、モーガン=ジョーンズ氏によると、1980年代や1990年代にラーダを所有していた人々から問い合わせがあるという。「正直なところ、ニーヴァがなくなれば、寂しくなるでしょうね」

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