県は「起債許可団体」に転落も、対話はそっちのけ、県内首長からは漏れるため息
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松本 創
ノンフィクションライター
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2026.8.28(金)
斎藤知事の定例会見。テンプレ回答を連発し、お辞儀で質疑を打ち切ろうとする=2026年7月1日(筆者撮影)
今年8月1日で就任5年が過ぎた兵庫県の斎藤元彦知事。初当選した2021年の選挙では県政刷新を訴えたが、もたらしたのは未曾有の混乱と停滞だった。3年目に起きた告発文書問題への対応に大きな批判を浴びたものの、第三者委員会が結論づけた自身の「公益通報者保護法違反」について今も否認したままだ。その間にも県財政は悪化し、ついに「起債許可団体」に転落。27日には適正化計画を総務省へ提出した。混迷の震源にいる斎藤の「知事の資質」をあらためて問う。
「もっともっと斎藤知事に公の会議に出席いただきたい」と兵庫県町村会長
「県と市町の連携と信頼関係を強固なものにするためには、もっともっと斎藤知事に公の会議に出席いただきたい。SNSではお見かけすることもあるが、同じ空間で同じ雰囲気を味わえることは、政策推進において重要だ」
8月21日、兵庫県市長会と町村会の会長・副会長6人が居並ぶ会議で、斎藤元彦知事に痛烈な直言が突きつけられた。発したのは町村会長の山名宗悟・神河町長。SNSやYouTubeで一方的な発信ばかりせず、自治体間のリアルな会議に出て、説明や協議を尽くすべきだ——そんな指摘だった。
相対する斎藤は時折うなずきながらも相手と目を合わせず、所在なげに手元のパソコンを触るのみ。その光景は、県内29市12町とのコミュニケーションを疎かにし、市町長らの間に不満と不信を鬱積させてきた斎藤県政の5年間を象徴していた。
県内の市町長から斎藤知事に厳しい指摘や注文が相次いだ(筆者撮影)
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会議は、急速に悪化する県財政の現状を説明し、市町の理解を得るために開かれた。
その3日前の18日、兵庫県は県債発行に国の許可が必要な「起債許可団体」となったことを発表していた。収入に占める借金返済額の割合を示す「実質公債費比率」は、起債許可団体に転落する基準値18%を超える19.2%に達した。現在の歳出規模が続けば、2031年度に都道府県で初めて、財政破綻一歩手前の「早期健全化団体」に転落すると県は試算している。
対策として県は「公債費負担適正化計画」案を作成。2027年度から10年間、公共工事などへの投資を10%(年約200億円)以上削減する方針を示した。27日には斎藤自身が総務省へ出向き、同計画を提出したが、その前に、補助金やインフラ整備などで影響必至の市町に説明する場を設けたというわけだ。
市町側からは当然、口々に懸念の声が上がる。
