夏の終わり、非公開の京都の寺院「法然院 方丈」(京都市左京区)で、電子音楽と茶を楽しむ恒例イベント『electronic evening 2026 電子音楽の夕べ』が8月29日に開催される。

■ 音と茶、自然と電子音…さまざまな「境」を曖昧に

東京・吉祥寺と京都を拠点に活動する電子音楽レーベル「涼音堂茶舗」が2003年から続けてきた同イベント。寺院や美術館などさまざまな場所で電子音楽を楽しむ機会を作ってきたが、今年で23回目を迎える。

ライブには、HAAS a.k.a. 高野寛、Nuelk、gen asai、PsyseXらが出演。京都に縁のある高野寛をはじめ、アンビエントのユニットなど、それぞれ異なる表現が寺院の空間に重なり合う。

「法然院方丈」での『electronic evening 「電子音楽の夕べ」』過去開催の様子

なかでも注目は、電子音楽と茶席を組み合わせたセッション。茶の湯の原点にも目を向けながら、アコースティックとアンビエント、自然と電子音など、一見異なるものの境界を曖昧にしていく。

茶席で提供される御菓子は、宝泉が高野寛の楽曲のイメージをもとに制作。銘は「薄暮」となった。

『electronic evening 2026 電子音楽の夕べ』の御菓子、銘「薄暮」。御菓子を手がけた職人の上原さんは、若い頃から高野寛のファンで、ライブにも足を運んでいたそう。今回、高野の楽曲から受け取ったイメージを菓子として形にしたという『electronic evening 2026 電子音楽の夕べ』の御菓子、銘「薄暮」。御菓子を手がけた職人の上原さんは、若い頃から高野寛のファンで、ライブにも足を運んでいたそう。今回、高野の楽曲から受け取ったイメージを菓子として形にしたという

「薄暮」は、夕刻、太陽が沈んだ頃の時間帯を指す言葉。彼方と此方の境界が曖昧になり、うっすらとぼやけていくような時間を表現した御菓子で、和漢の境、アコースティックとアンビエント、自然と電子音の境が紛らわされる一品に仕上げたという。

夕暮れとともに、音、茶、香り、映像が重なり合い、それぞれの境界が少しずつ溶けていくような時間を楽しめそうだ。

『electronic evening  電子音楽の夕べ』の過去開催の様子『electronic evening  電子音楽の夕べ』の過去開催の様子。写真は茶席

■ 虫の声や自然の音を聞きながら…京都ならではの夜

会場となる「法然院」は自然に囲まれた静かな空間。虫の声や周囲の音も、電子音楽とともにこのイベントを構成する要素となる。

映像インスタレーションや香りの演出も加わり、音楽だけにとどまらず、視覚や嗅覚を含めた五感で体験できる空間を作り上げる。

『electronic evening  電子音楽の夕べ』の過去開催の様子『electronic evening  電子音楽の夕べ』の過去開催の様子

また近年は国内だけでなく海外からの来場者も増えているそうで、京都の文化と現代の電子音楽を同時に体験できる場として、広がりを見せている。

夏の終わり、境界がぼやけていくひとときを楽しむ『electronic evening 2026 電子音楽の夕べ』は、8月29日に「法然院 方丈」にて、18時から20時半まで開催される。チケットは5000円、御茶席付6000円。

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