ウィリアム・モリス《いちご泥棒》をはじめ家具や書物 工芸品など168点からデザインの展開をたどる
島根県立美術館で企画展「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」が2026年9月11日から11月3日まで開催される。19世紀後半のイギリスで起こったアーツ・アンド・クラフツ運動と、その思想がアメリカへと広がっていく過程を、ウィリアム・モリスの代表作《いちご泥棒》をはじめ、テキスタイル、家具、書物、工芸品、宝飾品など168点を通して紹介する。ウィリアム・モリスから建築家フランク・ロイド・ライトへと展開するデザインの流れをまとまった形で紹介するのは、山陰では初となる。

ウィリアム・モリス《いちご泥棒》1883年 Photo © Brain Trust inc.
アーツ・アンド・クラフツ運動からモダニズムデザインへ
19世紀後半のイギリスで起こったアーツ・アンド・クラフツ運動は、デザイナー、思想家、詩人のウィリアム・モリス(1834年〜1896年)を中心に展開した。産業革命によって大量生産された粗悪なプロダクトを批判し、工業化以前の社会に理想を見出したモリスらは、手仕事の復権と生活と芸術の統合を目指し、仲間との共同による制作を行った。その運動は世界各地へ波及し、アメリカでは建築家フランク・ロイド・ライト(1867年〜1959年)がモリスらへの敬意を示しながら、機械の重要性を説いたことで、運動に新たな方向性が示されていった。時代の理想と現実を映しながら広範な影響を与えたアーツ・アンド・クラフツ運動。人々の暮らしに根差した美と機能性を追求するデザインは、20世紀のモダニズムデザインの源流として受け継がれている。本展ではイギリスにおける同運動の展開を中心に、アメリカでの広がりまでを紹介する。

ジョージ・ワシントン・ジャック《サーヴィル肘掛け椅子》1890年頃 Photo © Brain Trust inc.

ウィリアム・モリス《格子垣》1864年 Photo © Brain Trust inc.
ウィリアム・モリスの代表作を含む168点
本展では、モリスの代表作《いちご泥棒》を展示するほか、家具、壁紙、書物、工芸品など計168点を公開する。モリスからフランク・ロイド・ライトへと展開するデザインの流れを、山陰で初めてまとまった形で紹介する機会となる。会期中には、アーツ・アンド・クラフツ運動への理解を深める記念講演会や担当学芸員によるギャラリートーク、リピートパターンのデザインに挑戦するオープンスタジオなど、関連イベントも開催される。

メイ・モリス《すいかずら》1883年 Photo © Brain Trust inc.

《カットグラスの扇型花器》Photo © Brain Trust inc.
アーツ・アンド・クラフツを多角的に紹介する関連イベント
2026年9月13日には、お茶の水女子大学教授の鈴木禎宏による記念講演会「生活造形(アーツ・アンド・クラフツ)という問い ー近代世界における自然・美・工藝 ー作家と作品から考える(仮)」を開催する。担当学芸員によるギャラリートークは9月26日、10月11日、10月31日に実施。10月3日と17日には、模様づくりに挑戦するオープンスタジオ「リピートパターンをデザイン」を開催する。このほか、ギタリスト別府克彦によるロビーコンサート「ギターが奏でるイギリス音楽 ービートルズを中心に」、美術館キネマ「ふしぎの国のアリス」、小学生とその家族を対象とした「絵本とおでかけ企画展示室」なども予定されている。ミュージアムショップでは会場限定販売の公式展覧会図録や関連書籍、オリジナルグッズなどを販売予定。湖畔のレストラン「RACINE」では、本展に合わせた企画展限定メニューとして、イギリスで親しまれてきたスイーツなどを盛り込んだアフタヌーンティーを提供する予定となっている。
「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」開催概要
会期2026年9月11日(金)から11月3日(火・祝)まで休館火曜日(9月22日、11月3日は開館)会場島根県立美術館 企画展示室時間9月 10:00〜日没後30分 / 10・11月 10:00〜18:30URLhttps://tinyurl.com/2pwhbzfb
