【国際】IEA、アフリカのクリーンクッキング進捗2026年報告。投資額増加も残課題多し 1

 国際エネルギー機関(IEA)は7月9日、アフリカにおける調理環境の改善状況をまとめた2026年報告書を発表した。クリーンクッキングへの投資額は増加しているが、依然としてアクセスできていない人は多い。
 
 2024年5月に開催された第1回アフリカ・クリーンクッキング・サミットで誓約された22億米ドル(約3,600億円)のうち、すでに約3分の1に相当する7.4億米ドル(約1,200億円)が約30カ国のプロジェクトに支出されている。
 
 支出の約75%は国内の投資やプロジェクトに直接向けられており、最大の受け取り国はケニアで支出の19%、次いでウガンダ、タンザニア、南アフリカが各々7%だった。資金の用途としては、全体の約3分の2が調理用ストーブ等のエンドユーザー向け機器の配布・設置に充当。14%が技術支援と市場開発、13%が投資ファンドおよび関連企業、7%がインフラに充てられている。支出の半分近くがLPG(液化石油ガス)に向けられ、残りは改良型バイオマス、電気調理器、バイオガス、多燃料・分野横断的な支援。

 アフリカのクリーンクッキング部門への年間投資額も拡大しており、2020年の5.9億米ドルから2024年には7.7億米ドルへと増加。その約70%は民間資金と消費者支出が占めている。その結果、2024年には約1,200万人が新たにクリーンクッキングへのアクセスを獲得した。これは2010年と比較すると、約3倍のペースであり、2025年には過去最速の進展を記録する見通しを示した。しかし、依然としてアフリカ全土で約10億人がアクセスを持たず、汚染された燃料による調理が毎年約85万人の早死を引き起こしているという深刻な課題も指摘された。

 普及している技術の主流はLPGであり、アフリカにおけるアクセス層の70%以上を占め、新規接続の大部分も占めている。2位は電気調理器で約25%。しかし、ホルムズ海峡封鎖に伴う世界的なLPG供給の混乱と価格高騰が、アフリカの家計と政府財政に深刻な圧迫を与えたと指摘。地政学リスクを背景に、クリーンクッキング燃料のサプライチェーンのレジリエンスが極めて重要な課題として浮上している。
 
 この課題に対応するため、IEAは新たな官民イニシアチブ「Clean Cooking Security Programme」を立ち上げ、各国における燃料の供給安全保障やサプライチェーンの強靱化に向けた支援を行うと発表した。アフリカ各国も供給安全保障の強化に動いている。エネルギー源の多様化に加え、現在サハラ以南のアフリカ全土で、少なくとも25万tの新しいLPG貯蔵施設が建設中であり、これにより同地域の貯蔵能力は30%以上増加する見込み。IEAは、2024年以降に実施された120以上の新政策とインフラ拡大のパイプラインにより、今後もクリーンクッキング普及の加速が維持されると分析している。

 また、IEAは同日、第2回サミットに向けたハイレベルなバーチャル会議を開催し、新たに9億米ドルの資金コミットメントが行われたと発表した。さらにIEA内に新たな多国間イニシアチブとして「Clean Cooking Alliance(CCA)」が発足し、7月8日には米国、英国、ケニア、ノルウェー等の12カ国が参加する初会合が開催された。CCAは今後、IEAの分析力と各国の実行力を融合させ、誰もが利用可能なクリーンクッキングアクセスの実現に向けた国際協力を強力に推進する方針。

 【参照ページ】$740 million from first Clean Cooking Summit already deployed to projects across Africa
 【参照ページ】2024 Summit on Clean Cooking in Africa
 【参照ページ】New commitments to clean cooking in Africa reach $900 million ahead of 2nd major Summit
 【参照ページ】Clean Cooking Alliance opens new chapter as an intergovernmental initiative at the IEA

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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