伝説のバレエ『アレコ』が83年ぶりに復活。上演は5月29日~6月7日

記者会見時の集合写真
シャガールとバレエ『アレコ』が東京で上演
東京・高輪の「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」にて、バレエ『アレコ』が上演される。青森県立美術館に所蔵されるシャガールがバレエ『アレコ』のために描いた舞台背景画を高精細LEDで再現し、現代の振付家とダンサーが新たに立ち上げる本作は、絵画と舞台芸術をひとつの空間で体感できる、ほかにはない試みだ。
演出・振付は2024年の青森県立美術館での公演も手がけた宝満直也。主役のアレコ役には大川航矢とアレクサンドル・トルーシュ、ゼンフィラ役にはNBAバレエ団の勅使河原綾乃と山田佳歩をWキャストに迎え、チャイコフスキーの音楽とともに物語が展開する。
記者会見で披露されたリハーサルの様子。ゼンフィラ:勅使河原綾乃(NBAバレエ団) ロマの若者:新井悠汰(NBAバレエ団) 撮影:編集部
バレエ『アレコ』の原作は、ロシアの文豪アレクサンドル・プーシキンの詩『ジプシー』(1827)。貴族の青年アレコがロマの一団に加わり、長の娘ゼンフィラと恋に落ちるが、彼女の心変わりを知った嫉妬から悲劇を招くという物語だ。1942年に公開されたときの振付師はレオニード・マシーン、音楽はチャイコフスキーのピアノ三重奏曲をオーケストラ編曲したものが使われた。
舞台背景を手がけたマルク・シャガールは、1941年にナチスの迫害を逃れてアメリカに亡命し、その翌年バレエ・シアター(現アメリカン・バレエ・シアター)から舞台美術の依頼を受けた。プーシキン、チャイコフスキー、マシーンというロシア人3人の傑作を元にしたこのバレエは、同じロシア出身のシャガールにとって、故郷への強い思いと結びついた仕事だった。約9×15mにおよぶ4幕分の背景画は、ニューヨークでドローイングを重ねたのち、メキシコシティに移動してわずか1ヶ月ほどで仕上げられたという。
そんな4点の背景画を現在一堂に見ることができるのは、青森県立美術館のアレコホールだ。縦横21m、高さ9mの四層吹き抜けの大空間で、四面の壁がシャガールの背景画で覆われている。
青森県立美術館、アレコホール。右: 一幕、左: 二幕
青森県立美術館、アレコホール。右: 三幕、左: 四幕
