六本木のランドマーク〈グランド ハイアット 東京〉4階に店を構える〈けやき坂〉。一歩足を踏み入れれば、マーケット風にディスプレイされた新鮮かつ旬の食材が目を引く。北海道産の大きなくるみ材を用いた鉄板焼テーブルをはじめ、和紙や杉、オークを組み合わせたインテリアは、世界的なインテリアデザイナーのトニー・チー氏によるもの。スタイリッシュでありながらもノスタルジックな雰囲気が漂う大人の空間だ。
〈けやき坂〉
2014年から料理長を務めるのは本多良信氏。“けやき坂 ビーフ”を生み出したり、数多くのオリジナルメニューを創出したりするなど、革新的な鉄板焼を提案している。
その“けやき坂 ビーフ”を味わうのなら、“ディナーメニュー B”(2万7500円)をすすめたい。前菜からはじまり、魚料理、メインディッシュ、焼野菜、お食事、デザートといった構成で、季節ごとの味覚を反映させた料理が味わえる。
【COURSE MENU】
最初の“国産 たけのこのソテー 味噌ディップ かつおの削り節”は、器に配された筍の皮が季節の移ろいを感じさせる風流な一皿。ソテーされた筍は小気味いい歯ごたえで、同じく春の味覚であるウルイのほろ苦さが心地いい。重層的な甘味噌のディップに、ふわりと舞う削り節の芳香が重なる。
“桜鱒のムニエル 春キャベツクリームソース”は、黄金色に焼き上がった桜鱒の表面がパリパリと香ばしく、身はしっとりとした上品な味わい。トップに添えられたスナップエンドウの瑞々しい緑が美しく、春キャベツのソースが醸し出す芳醇な食味に思わず舌鼓を打つ。
魚介の佳味を堪能できるのが“長崎県産 桧扇貝 あおさのり あごだしのあんかけ”。貝殻の模様がカラフルな桧扇貝はビジュアルからして華やか。絶妙な火入れで仕上げられた身はまさに脆美な食感で、あごだしの旨味をたたえたあんが、貝の甘みを一層引き立てる至味。あおさのりとおかひじきが、磯の香りと食感のアクセントを添える。
メインディッシュは“東京都 秋川産 けやき坂 ビーフ サーロイン”。東京都で年間約140頭しか出荷されない幻の和牛“秋川牛”をベースにオリジナルの飼料を与えて育てた、ココだけの和牛。本多氏をはじめ、レストランのスタッフが毎月牧場に赴き、飼育から携わっているほどのこだわりぶりだ。きめ細やかでやわらかなテクスチャーと、甘く芳醇な和牛香。噛みしめるたびに上味が広がっていき、一度食べたら忘れられない味だ。2人以上ならサーロインとテンダーロインをシェアしてどちらも食べられるのが嬉しい。
