【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:ESO)
こちらは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)が2021年2月22日に公開した、若い星「ぎょしゃ座SU星(SU Aurigae)」を取り巻く原始惑星系円盤の画像です。ESOの超大型望遠鏡VLTに搭載された観測装置「SPHERE」が、近赤外線で捉えました。
【▲ VLTのSPHERE装置で観測された、ぎょしゃ座SU星を取り巻く原始惑星系円盤(Credit: ESO/Ginski et al.)】
まるで宇宙空間で翼を広げた鳥のような姿をしていますが、中心にあるのは誕生から約400万年ほどしか経っていない若い星です。ぎょしゃ座SU星は、ぎょしゃ座の方向約500光年先にある若い星で、星形成が進む「おうし座・ぎょしゃ座星形成領域(Taurus-Auriga star-forming region)」に属しています。
画像の中心部が暗くなっているのは、明るい星の光をコロナグラフという装置で遮っているためです。これにより、星本体よりもはるかに暗い周囲の構造を観測しやすくなります。
星の周囲を取り巻いているのが、惑星の材料となるガスや塵でできた原始惑星系円盤です。円盤から左右に長く伸びている筋状の構造は塵の尾で、全体を鳥のような姿に見せています。
研究チームの分析によると、この塵の尾は周囲の星雲から円盤へと物質が流れ込んでいる痕跡です。ぎょしゃ座SU星と巨大なガス・塵の雲との遭遇によって、この特徴的な形状が生じた可能性があります。
通常、円盤への大規模な物質供給は星形成の早い段階で主に起きると考えられますが、ぎょしゃ座SU星では数百万年が経過した段階でもなお物質の流入が続いていることが示されました。こうした後期の物質流入は、円盤の傾きのずれや構造の乱れを引き起こし、将来形成される惑星系の軌道にも影響を及ぼす可能性があります。
惑星が生まれる現場は、思っていた以上に複雑なようです。
編集/sorae編集部
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